【写真スポット】京都のお寺ってどこ行けばいいの?を解決、被写体別まとめ

八坂の塔と桜

京都のお寺を観光する人の中にはカメラを片手に写真撮影を楽しむ人も多いのではないでしょうか。お寺の美しさに魅せられて、何枚も写真を撮ってしまうこともあると思います。


カメラが好きな人や写真が趣味の人に京都のお寺は絶好の被写体です。しかしもっと京都のお寺の写真を撮ってみたいけれど京都にはたくさんお寺があり過ぎてどこに何があるのかわからない。京都の知識がなくてどこのお寺に行けばいいのか悩んでいることはありませんか?


私は10年以上京都に住み、2016年から2024年現在も京都のお寺の写真を撮り続けています。運営しているこのブログの写真も全て各お寺に行って自分で撮影したものです。


この記事では写真を撮るのが好きな人のために、写真撮影におすすめのお寺を被写体別に24箇所厳選しました。被写体は桜・紅葉・庭園・花・苔・建築・仏像に分けています。
各お寺の歴史や写真撮影のポイントも合わせて紹介しています。


この記事を読んでいただくと、京都のお寺の知識がなくても自分がどのお寺に行くべきかがわかります。


長い記事になりますので目次からご自身が興味のある被写体の所へジャンプしてください。

[ もくじ ]

被写体別、写真撮影におすすめの京都のお寺

被写体別に紹介するお寺の順番は以下の通りです。

  • 桜3箇所
  • 紅葉3箇所
  • 庭園3箇所
  • 花の寺2箇所
  • 特定の花が有名な寺5箇所
  • 苔がきれいな寺4箇所
  • 建築3箇所
  • 仏像2箇所

基本的に三脚を持ち込んでの撮影はどのお寺も禁止です。


この記事では外しましたが京都で最も有名なお寺、清水寺の四季の写真撮影のポイントについて興味がある方はこちらからどうぞ。

桜の撮影におすすめのお寺3選、定番と穴場を紹介

春の被写体といえばやはり桜。桜のシーズンは京都に観光客が増加します。


京都の桜の名所は多すぎるので定番の大覚寺と醍醐寺(だいごじ)、穴場の常照皇寺(じょうしょうこうじ)の3箇所に絞ってお伝えします。どのお寺にも行ったことがない方はまず定番の方から行ってみるのがおすすめです。


定番のメリットはいい写真が撮りやすいこと、デメリットは人が多いこと。穴場のメリットは人が少ないこと、デメリットは公共交通機関でのアクセスが悪いことです。


情報が拡散されやすい現代では、穴場もだんだん知られてきています。定番よりは人が少ない程度の場所だと思ってください。

【桜の定番】大覚寺(嵯峨・嵐山エリア)

大覚寺と桜
大覚寺の歴史と概要

大覚寺は平安時代に開創されたお寺。もともとは嵯峨天皇の離宮嵯峨院で、嵯峨院が大覚寺になったのは876年のこと。


嵯峨天皇は812年神泉苑にて「桜の花見」を行い、これが記録に残る最初のお花見とされています。


大覚寺は明治時代まで天皇もしくは皇族の方が住職を務めた門跡寺院で、現代では時代劇のロケ地としても使われています。

写真撮影のポイント

最初にお花見を行った嵯峨天皇ゆかりの大覚寺には日本最古の人工池「大沢池」があります。


池の周辺にはたくさんの桜が植えられています。桜の種類はソメイヨシノが多い。池の西側には大覚寺の伽藍や多宝塔などの建物もあるので建物と桜、池を絡めた撮影ができます。


池を挟んで対岸から撮影したい場合は、かなり距離があるので望遠レンズがあれば便利。


池を中心とした水辺と桜、建物を組み合わせた写真が撮影できます。

拝観時間9時〜17時
住 所〒616-8411 京都府京都市右京区嵯峨大沢町4 map
電 話075-871-0071

【桜の定番】醍醐寺(山科・醍醐エリア)

醍醐寺三宝院太閤しだれ桜
醍醐寺の歴史と概要

醍醐寺(だいごじ)は平安時代の874年、空海の孫弟子にあたる聖宝(しょうぼう)によって創建されました。


醍醐山の山頂一帯には上醍醐の伽藍が、山のふもとには下醍醐の伽藍があります。醍醐寺の歴史は初め上醍醐から始まり、その後醍醐天皇から帰依(きえ)を受け下醍醐が成立しました。


醍醐寺は安土桃山時代に豊臣秀吉が行った「醍醐の花見」も有名で、秀吉はその際700本の桜を境内に植えました。


現代では「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。

写真撮影のポイント

桜の種類はしだれ桜が多く、しかも巨木が多いです。境内のいたる所に桜があるのでお寺に咲く桜の巨木が撮りたい方におすすめです。


醍醐寺の塔頭のひとつ、三宝院の大玄関前には「太閤しだれ桜」があります。樹齢150年といわれるしだれ桜の巨木です。


醍醐寺三宝院についてさらに詳しく知りたい方はこちら

拝観時間9時〜17時
住 所〒601-1325 京都府京都市伏見区醍醐東大路町22 map
電 話075-571-0002

【桜の穴場】常照皇寺(高雄・京北エリア)

常照皇寺九重桜
常照皇寺の歴史と概要

常照皇寺(じょうしょうこうじ)は室町時代の1362年、光厳法皇(こうごんほうおう)によって創建された皇室ゆかりのお寺。


戦国時代の明智光秀の山国全焼戦、第二次世界大戦で荒廃し、その後現在の姿に復元されました。


京都で唯一の天然記念物の桜、九重桜(ここのえざくら)があることでも有名。


桜撮影の穴場としているのは京都の中心部からかなり遠く公共交通機関でのアクセスが悪いので観光客が少ないためです。

写真撮影のポイント

「九重桜」をはじめ「左近の桜」、「御車(みくるま)返しの桜」と3種類の特別な桜を見ることができます。


3種の桜は時期をずらして開花するので長く楽むことができます。順番はおよそ「九重桜」→「左近の桜」→「御車返しの桜」で、ご自身が撮影したい桜の開花に合わせて行くのがよいと思います。


ただし公式ホームページがないので開花のタイミングは分かりにくいです。


3種類の桜の開花時期の目安は過去に撮影した写真とともに別の記事に表記してあります。桜のシーズンの常照皇寺についてさらに詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。

拝観時間9時〜16時
住 所〒601-0313 京都府京都市右京区京北井戸町丸山14-6 map
電 話075-853-0003

紅葉の撮影におすすめのお寺3選、定番と穴場を紹介

桜と並んで人気の被写体である紅葉。桜と紅葉では紅葉の季節の方が観光客が多いです。


京都の紅葉の名所は多すぎるので定番の東福寺と禅林寺(永観堂)、穴場の直指庵(じきしあん)の3箇所に絞ってお伝えします。どのお寺にも行ったことがない方はまず定番の方から行ってみるのがおすすめです。


ただし定番のお寺は紅葉シーズン大混雑するので開門時間からでも並ぶ覚悟が必要です。


東福寺と禅林寺(永観堂)はかなり有名なのでもう行ったことがある、または混雑する所はいやなので紅葉の穴場についてもっと知りたい方はこちらからどうぞ。

【紅葉の定番】東福寺(三十三間堂・東福寺エリア)

東福寺の紅葉
東福寺の歴史と概要

東福寺は鎌倉時代の1236年より1255年、19年をかけ摂政・九條道家(くじょうみちいえ)が完成させました。


奈良の有名なお寺、東大寺から「東」と興福寺から「福」の字を取り「東福寺」となりました。
かつては東大寺と同じように大仏が安置されていましたが火災で焼失。現在は大仏の左手部分のみが残っています。


秋には紅葉の名所としてたくさんの観光客が訪れます。

写真撮影のポイント

撮影のメインとなるのは通天橋本堂の後ろから開山堂へ向かう通天橋の周辺にたくさんの紅葉が植えられています。地形が谷になっているため紅葉を上から下から高低差のある撮影が可能です。


紅葉が多いですが拝観順路が一方通行で後戻りできない。人が多すぎるなどデメリットもあります。


通天橋の紅葉と東福寺の伽藍は離れているので、紅葉と建物を絡めて撮影したい場合には望遠レンズがあれば便利です。

拝観時間8時30分〜16時 ※11月~12月第1日曜日まで
住 所〒605-0981 京都府京都市東山区本町15丁目778 map
電 話075-561-0087

【紅葉の定番】禅林寺[永観堂](哲学の道・岡崎エリア)

禅林寺(永観堂)の紅葉
禅林寺の歴史と概要

禅林寺は平安時代の853年、空海の弟子・真紹(しんじょう)によって創建されました。


禅林寺を中興したのが永観(ようかん)という住職だったため通称永観堂(えいかんどう)ともいわれます。
本尊のみかえり阿弥陀も永観とのエピソードが残り、体は前を向いていますが顔が左を向いている変わった仏像です。


「秋は紅葉の永観堂」と古くからいわれるほど紅葉の名所として有名。

写真撮影のポイント

境内にたくさんの紅葉が植えられています。拝観は建物内部と庭園部分に分かれます。


建物は高台にあるものもあり、高低差を生かしていろいろな角度から紅葉が撮影できます。庭園には池があるので水辺と紅葉を絡めて撮影することも可能です。


紅葉シーズンは人が多すぎて広い画角で写真を撮るのはなかなか難しくなります。

拝観時間9時〜17時
住 所〒606-8445 京都府京都市左京区永観堂町48 map
電 話075-761-0007

【紅葉の穴場】直指庵(嵯峨・嵐山エリア)

直指庵の紅葉
直指庵の歴史と概要

直指庵(じきしあん)は江戸時代の1646年、独照性円(どくしょうしょうえん)が草庵を結んだことに始まります。


日本の禅宗のうちの一つ黄檗宗(おうばくしゅう)の開祖、隠元を招いて伽藍を建立し大寺院となりました。しかし後に衰退し、幕末の頃再興されたのが現在の直指庵です。


直指庵は大覚寺の奥にあるお寺。いつでも拝観できるお寺でしたがコロナ感染拡大を防止するため期間限定で公開されるようになりました。


紅葉撮影の穴場としているのは期間限定公開になったため公開日を知らない人が多いから。また直指庵のある場所も観光地の嵐山から離れていて観光客が少ないからです。

写真撮影のポイント

直指庵は大規模のお寺と比べたら小さいお寺ですが整えられた庭園は写真を撮るには十分です。ひっそりとした境内は大規模のお寺にはない風情があります。


特徴的な建物に葦葺(あしぶき)屋根の本堂や道場があります。葦葺がピンとこない方は茅葺き屋根を想像してもらえればわかるかと思います。瓦屋根の建物にはない昔懐かしい佇まいが魅力。


静かに京都らしい風情ある紅葉を撮影したい方におすすめのお寺です。


直指庵についてさらに詳しく知りたい方はこちら

拝観時間【期間限定公開公開日・拝観時間は公式ホームページを要確認
住 所〒616-8441 京都府京都市右京区北嵯峨北ノ段町3 map
電 話075-871-1880

庭園の撮影、定番と穴場を紹介

お寺の魅力の一つに庭園があります。美しく整えられた庭園を歩けば自然と写真が撮りたくなるものです。


庭園が美しいお寺は多いので定番の天龍寺と龍安寺(りょうあんじ)、穴場の等持院の3箇所に絞ってお伝えします。どのお寺にも行ったことのない方はまず定番の方から行ってみるのがおすすめです。


定番の庭園は観光シーズンの春や秋は特に人が多く、穴場の庭園は観光シーズンでも比較的ゆっくりと楽しむことができます。3箇所とも池の周りを歩きながら庭園を観賞できるお寺を選びました。

【庭園の定番】天龍寺(嵯峨・嵐山エリア)

天龍寺庭園
天龍寺の歴史と概要

天龍寺はかつてこの地にあった亀山天皇の離宮、亀山殿を南北朝時代の1339年に足利尊氏(あしかがたかうじ)が寺に改めたのが始まり。


かつては嵐山の観光名所、渡月橋も境内に含まれるほど広大なお寺でしたが度重なる火災と兵火で創建当時の建物はことごとく焼失しました。


明治・昭和時代になり再興され、現代では「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。


初代住職の夢想礎石(むそうそせき)が作庭した曹源池庭園(そうげんちていえん)が有名で、日本最初の史跡・特別名勝に指定されました。

写真撮影のポイント

「曹源池庭園」は池の周りを歩きながら観賞でき、嵐山の風景も取り込んだスケールの大きい庭園です。石組や苔も庭師の方によってしっかりと管理されています。


池の周りを歩きながら撮影でき、初めて行くなら紅葉シーズンがおすすめ。


後醍醐天皇を祀る多宝殿の奥には「百花苑」という季節の花々が植えられた庭園もあります。


嵐山の風景を借景とした広大なスケールの庭園と季節の花々を撮影できます。

拝観時間8時30分〜17時
住 所〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 map
電 話075-881-1235

【庭園の定番】龍安寺(金閣寺・御室・太秦エリア)

龍安寺石庭
龍安寺の歴史と概要

龍安寺(りょうあんじ)はこの地にあった徳大寺家の山荘の敷地内に室町時代の1450年、足利将軍の管領・細川勝元(ほそかわかつもと)が寺を建立したのが始まり。


創建されてすぐ応仁の乱で焼失。その後勝元の子•政元によって再興され1499年に方丈が建てられた時、現在も有名な石庭が造られたのではないかといわれています。


昔は徳大寺家の山荘だった頃の庭、鏡容池(きょうようち)がオシドリの名所として有名でしたが、昭和になりイギリスのエリザベス女王が龍安寺に立ち寄り絶賛したことで石庭が世界的に有名になりました。現代では「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。

写真撮影のポイント

有名な枯山水の庭園「石庭」と池の周りを歩きながら観賞できる「鏡容池」の造りの異なる庭園があります。


石庭は左端(東側)から撮影すると全体がきれいに収まります。白砂の敷かれた石庭は晴れの日には光の反射が強く、方丈から南へ向いての撮影になるためお昼頃には逆光になります。


鏡容池は貴族の別荘であった頃の名残がある池を中心とした広い庭園で、四季折々の花が咲きます。
かなり大きい池なので対岸から撮影したい場合は望遠レンズがあれば便利。鏡容池は紅葉シーズンがおすすめです。


実は龍安寺にはもう一つ庭園があります。特別公開にて公開された龍安寺のもう一つの庭についてさらに詳しく知りたい方はこちら

拝観時間8時〜17時(3月1日~11月30日) / 8時30分〜16時30分(12月1日~2月末日)
住 所〒616-8001 京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13 map
電 話075-463-2216

【庭園の穴場】等持院(金閣寺・御室・太秦エリア)

等持院庭園
等持院の歴史と概要

等持院は南北朝時代の1341年、室町幕府を開いた足利尊氏(あしかがたかうじ)によって創建されました。


歴代足利将軍の菩提寺で尊氏の墓もあります。尊氏の法名にちなみ等持院という寺名になりました。
室町幕府の衰退、火災によって多くを失いましたが復興され現在に至ります。


西に「芙蓉池(ふようち)」東に「心字池」という趣きが異なる2つの庭園があり、心字池の中島にはかつて妙音閣という2階建ての建物が建っていました。

写真撮影のポイント

西の庭園、芙蓉池は、茶室がありサツキと石組を中心とした庭。サツキの咲くシーズンがおすすめ。


東の庭園、心字池は妙音閣跡の中島と紅葉が中心の庭。紅葉シーズンがおすすめです。


観光シーズンの春・秋であっても比較的ゆっくり撮影することができます。庭園を広く撮影したい場合は背景に現代的な建物があるので構図は工夫する必要があります。


サツキと紅葉シーズンの等持院については別の記事でさらに詳しく紹介しています。興味がある方はこちらからどうぞ。

拝観時間9時〜16時30分
住 所〒603-8346 京都府京都市北区等持院北町63番地 map
電 話075-461-5786

「花」を撮影するのにおすすめのお寺

花を撮るのが好きという方も多いかと思います。お寺の境内に咲く花は自然のままの姿とはまた違った美しさがあります。


季節ごとに咲く花は古い建物と調和したり、あるいは鮮やかな色彩がアクセントになったりしてお寺の景色を変えてくれます。


そこで一年を通して境内に咲く花の種類が多いお寺の中から、常寂光寺と詩仙堂の2箇所を選びました。
行ったことがある方も季節を変えてもう一度足を運んでみると新しい花と出会えます。

常寂光寺(嵯峨・嵐山エリア)

常寂光寺ユキモチソウ
常寂光寺の歴史と概要

常寂光寺(じょうじゃっこうじ)は安土桃山時代から江戸時代の間に、本圀寺(ほんこくじ)の日禎(にっしん)によって創建。


仏の住む世界の一つ、常寂光土のような風情から常寂光寺という寺名になりました。


本圀寺から移築された茅葺の屋根の仁王門は境内の建物の中で最も古く、安置されている仁王像は運慶作とされています。また本堂は伏見城の客殿を移築したもの。


カルタでもおなじみ百人一首の選者、藤原定家の小倉山荘「時雨亭」があった所とも伝わります。

写真撮影のポイント

小倉山の斜面に建てられた高低差のある境内は季節ごとに違った花が迎えてくれます。


整えられた境内と一部裏山を自然のまま生かした竹林の庭があり普通のお寺ではあまり見かけない珍しい形のユキモチソウも咲きます。


境内の奥には多宝塔がありさらに上に登ると嵯峨野と京都の街を見渡せる展望台があります。そこに至る階段の周辺には春になるとモチツツジが咲き誇ります。


紅葉の名所としても有名で、秋は観光客でいっぱいになります。

拝観時間9時〜17時
住 所〒616-8397 京都府京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3 map
電 話075-861-0435

詩仙堂(一乗寺・修学院エリア)

詩仙堂庭園
詩仙堂の歴史と概要

詩仙堂は江戸時代の1641年、徳川家の家臣・石川丈山(いしかわじょうざん)が造営した山荘。丈山は59〜90歳までここで悠々自適の生活を送りました。


正しくはでこぼこした土地に建てた住居という意味の「凹凸窠(おうとつか)」といい、凹凸窠にある一室が詩仙堂で後なって詩仙堂の名で呼ばれるようになりました。


お寺になったのは丈山が亡くなってからで、現在は曹洞宗のお寺。

写真撮影のポイント

詩仙堂の庭は、庭園造りの名手でもあった石川丈山自身による設計。


現在日本庭園で見られるし「しおどし」はもともと鹿や猪の侵入を防ぐ農機具で、石川丈山が初めて庭に持ち込んだといわれています。


個人の住居ならではの落ち着いた庭園です。狭い範囲でいろいろな花を撮影したいという人におすすめです。


整えられた庭には一年を通して様々な花が咲きます。小さな池もあり周りにはカキツバタ、キョウガノコ、ハナショウブ、サツキなどが咲きます。


藤棚もあって春には白色の藤が咲き、夏には珍しい八重の桔梗なども咲きます。春のサツキ、紅葉の名所としても有名です。

拝観時間9時〜17時 ※5月23日拝観休止
住 所〒606-8154 京都府京都市左京区一乗寺門口町27 map
電 話075-781-2954

「特定の花」が有名なお寺

京都にあるお寺の中には特定の花で有名なお寺があります。そのお寺にゆかりのある花や、花の数が多いお寺、各お寺を代表する有名な花が見どころの一つになっています。


季節は春から夏までの花で、定番の花から珍しい山野草まで撮影できるお寺を選びました。
花は梅・椿・藤・あじさい・山野草で、以下の5箇所のお寺を紹介します。

  • 【梅】随心院
  • 【椿】霊鑑寺
  • 【藤】平等院
  • 【あじさい】三室戸寺
  • 【山野草】古知谷阿弥陀寺

【梅】随心院(山科・醍醐エリア)

随心院小野梅園
随心院の歴史と概要

随心院(ずいしんいん)は平安時代の991年、仁海(にんがい)によって創建された曼荼羅寺の塔頭(たっちゅう)。
5代目の住職、増俊(ぞうしゅん)の時に塔頭の一つとして随心院が建てられました。


その後門跡寺院となり栄えましたが応仁の乱で衰退。現在の建物はほとんどが江戸時代再建のもの。


随心院がある小野地区は小野氏の住んでいた所とされ、小野小町ゆかりのお寺としても有名です。

写真撮影のポイント

境内の西側に約200本の梅の木がある小野梅園があり、3月になると特別公開されます。


いろいろな種類の梅がありますが特に遅咲きの梅「はねずの梅」が有名です。梅の見頃は3月中旬頃。


梅園の西側から撮れば薬医門や東側の山も取り入れた景色を撮影することができます。


随心院についてさらに詳しく知りたい方はこちら

拝観時間9時〜17時
住 所〒607-8257 京都府京都市山科区小野御霊町35 map
電 話075-571-0025

【椿】霊鑑寺(哲学の道・岡崎エリア)

霊鑑寺の椿
霊鑑寺の歴史と概要

霊鑑寺は江戸時代の1654年、後水尾天皇の皇女・多利宮(たりのみや)によって創建されました。


歴代皇女が住職を務めた尼門跡寺院で、別名「谷の御所」とも呼ばれています。
後水尾天皇が椿を好まれたことから境内には100種以上の椿が植えられており、特に「日光椿」が有名。

通常非公開のお寺です。いつでも拝観できるわけではありません。

特別公開されるのは基本的に春と秋の決められた期間のみです。

写真撮影のポイント


庭園に入る前の玄関に、境内の椿が集められたフォトスポットがあります。ここで手軽に華やかな椿の写真を撮ることができます。


庭園の拝観ルートは決められており、近くに寄れない椿もあります。遠くの椿を撮影したい場合は望遠レンズがあれば便利です。


椿の葉っぱは光の反射が強いのでPLフィルターがあれば反射を抑えられ、椿をきれいに撮影することができます。


霊鑑寺についてさらに詳しく知りたい方はこちら

拝観時間【期間限定公開10時〜16時 ※公開日・拝観時間は公式インスタグラムを要確認
住 所〒606-8422 京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町12 map
電 話075-771-4040

【藤】平等院(宇治エリア)

平等院の藤
平等院の歴史と概要

平等院は平安時代の1052年、藤原頼道(ふじわらのよりみち)が父道長より譲り受けた別荘を寺に改めたことに始まります。


鳳凰堂の中の本尊である国宝・阿弥陀如来坐像は、平安時代の仏師定朝(じょうちょう)の確証のある現存唯一の作品。


現世に極楽浄土を再現した平等院は藤原氏ゆかりの寺として栄華を誇っていましたが、火災や戦で多くを焼失。鳳凰堂のみが唯一残りました。


現代では10円玉硬貨のデザインでもおなじみの平等院は「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。

写真撮影のポイント

藤原氏の家紋にも描かれる藤。境内3箇所ある藤のうち平等院鳳凰堂の近くにあるのは樹齢280年ともいわれる大きな藤。


伸びた花房が1m以上にもなり地面の砂にすれることから砂ずりの藤とも讃えられています。


この藤がある所からは平等院鳳凰堂を背景に撮影をすることができます。


平等院鳳凰堂と藤を絡めた撮影方法についてさらに詳しく知りたい方はこちら

拝観時間8時30分〜17時30分(庭園)
住 所〒611-0021 京都府宇治市宇治蓮華116 map
電 話0774-21-2861

【あじさい】三室戸寺(宇治エリア)

三室戸寺のあじさい
三室戸寺の歴史と概要

三室戸寺(みむろとじ)は奈良時代の770年、光仁天皇によって創建。


歴代天皇の崇敬を集め大伽藍でしたが火災と織田信長による土地の没収で衰退しました。


現存する本堂は江戸時代に再建。源氏物語宇治十帖の登場人物浮舟を祀る浮舟の碑もあります。近年に整備された庭園「与楽園」にはツツジ、あじさいなどが咲き誇ります。


主に関西の観音霊地を巡る「西国三十三所」の第10札所。あじさいの名所としても有名です。

写真撮影のポイント

三室戸寺の庭園には6月になると約50種2万株のあじさいが咲きます。いろいろな種類のあじさいが撮影でき、運がよければハート型のあじさいが見つかることがある。


庭園は三室戸寺の伽藍と離れているので建物とあじさいを絡めた撮影はできません。
あじさいは間近で撮影できるためマクロレンズがあればより撮影の幅が広がります。


お花畑のような庭園に咲くあじさいはかわいくて種類も豊富、色とりどりなので特に女性におすすめです。


三室戸寺やその他京都のあじさいが有名なお寺ついてはこちらの記事でさらに詳しく紹介しています。

拝観時間8時30分〜16時30分
住 所〒611-0013 京都府宇治市莵道滋賀谷21 map
電 話0774-21-2067

【山野草】古知谷阿弥陀寺(大原・八瀬・比叡山エリア)

古知谷阿弥陀寺のシラヒゲソウ
古知谷阿弥陀寺の歴史と概要

古知谷阿弥陀寺(こちだにあみだじ)は江戸時代の1609年、弾誓(たんぜい)上人によって創建。


弾誓上人は、生きているうちに洞窟の中にある石棺(せっかん)に入り「ミイラ仏」となりました。


境内には京都市の天然記念物に指定されている樹齢800年以上の楓がありましたが、倒木の危険があり苦渋の決断の末2023年に伐採されました。


皇族諸家とも関係が深く閑院宮ならびに有栖川宮両家の祈願所となっています。


観光客はほぼ知らないと言っても過言ではない大原の三千院よりさらに奥にあるお寺
で、公共交通機関でのアクセスは厳しいです。1月・2月は拝観休止になっています。

写真撮影のポイント

日常では見かけない珍しい花、山野(さんやそう)を季節ごとに見ることができます。山野草とは平地から高山に自生する観賞価値のある草花のこと。


特に春に咲くクリンソウと秋に咲くダイモンジソウが有名です。境内のあちこちで咲いている山野草を見つけるのも楽しみの1つ。小柄でかわいらしい花が多いため女性におすすめ。


山野草は形が面白いものが多いのでマクロレンズがあればより撮影の幅が広がります。


古知谷阿弥陀寺の山野草についてはこちらの記事でさらに詳しく紹介しています。

拝観時間9時〜16時 ※1月・2月は拝観休止
住 所〒601-1235 京都府京都市左京区大原古知平町83 map
電 話075-744-2048

「苔」を撮影するのにおすすめのお寺

お寺の庭園を魅力的にしているものの1つに苔があるのではないでしょうか。青々と地面を覆う苔はその場所の歴史を内包しており悠久の時間を感じさせます。


苔を使った庭は京都のお寺のいたる所で見られますが日光が当たり過ぎて苔が枯れてしまっている庭をよく見かけます。


そこで苔が美く管理されているお寺、または美しく保たれているお寺の中から西芳寺(苔寺)・銀閣寺・三千院・祇王寺の4箇所を選びました。


もし可能ならくもりの日、または雨上がりのタイミング、梅雨の時期に各お寺に行くのがおすすめです。よりいきいきした苔の緑を撮影することができます。

西芳寺[苔寺](嵯峨・嵐山エリア)

西芳寺(苔寺)庭園
西芳寺(苔寺)の歴史と概要

西芳寺(さいほうじ)は奈良時代の731年、行基(ぎょうき)によって創建されました。
南北朝時代の1339年、高僧で作庭の名手・夢想礎石(むそうそせき)が禅寺として再興。


日本で初めて作られた枯山水の庭もある西芳寺は、のちに金閣寺や銀閣寺の造営に影響を与えました。


戦火や洪水を乗り越え、庭一面を苔が覆うようになったのは江戸時代末期になってから。
庭園の苔は約120種類でその美しさから通称「苔寺」として親しまれています。


Appleの創業者スティーブ・ジョブズがお忍びで西芳寺を訪れていたことも有名。現代では「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。

拝観には事前予約が必要です。予約なしでは拝観できません。

申込みは公式ホームページか往復ハガキで行います。事前予約が必要なのと拝観料が4000円と高く気軽に行くことはできません。過去にかなりの観光被害があったようで拝観者を制限しています。

写真撮影のポイント

庭園の散策は本堂での写経の後(省略されることもあります)、いきなり庭へは出られません。


別名苔寺の名にふさわしく庭園は苔で埋め尽くされています。管理の行き届いた苔の庭は一度は体験してもらいたいものです。


天気を選ぶことは難しいですが、晴れだと木漏れ日が苔に反射して白トビしてしまうことがあります。できればくもりの日か日陰を狙って撮影することできれいな写真が撮りやすくなります。


公式ホームページの予約枠は30分ごとになっており何時間も写真を撮り続けることは難しそうです。

拝観時間予約時に決定。予約方法は公式ホームページを要確認
住 所〒615-8286 京都府京都市西京区松尾神ケ谷町56 map
電 話075-391-3631

銀閣寺(哲学の道・岡崎エリア)

銀閣寺
銀閣寺の歴史と概要

銀閣寺は室町時代の1482年、室町幕府8代将軍・足利義政によって造営が開始された山荘東山殿が起原。


足利義政はたびたび西芳寺を訪れ、参考にして東山殿を造りました。義政の死後東山殿は寺に改められ、義政の院号から慈照寺(じしょうじ)となりました。


銀閣寺と呼ばれるようになったのは江戸時代になってからで、金閣寺に対して銀閣寺と呼ばれるようになりました。


現存する当時の建物は銀閣と東求堂で共に国宝。現代では「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。

写真撮影のポイント

拝観時間中も手入れをしている庭師さんの姿を見かけるほど庭園の管理が行き届いており苔がきれいです。


通称銀閣といわれる観音殿ばかりに目が行きがちになりますが周りに目をやってみるといたる所で苔の美しさが見られます。


庭園を覆う苔は境内をいっそう美しく見せ、境内東側にある月待山の展望所から山を下って銀閣へ至る道は苔の美しさがいっそう際立っています。観光客も少し落ち着く梅雨の時期の撮影がおすすめです。

拝観時間8時30分〜17時(3月1日~11月30日) / 9時〜16時30分(12月1日~2月末日)
住 所〒606-8402 京都府京都市左京区銀閣寺町2 map
電 話075-771-5725

三千院(大原・八瀬・比叡山エリア)

三千院の紅葉
三千院の歴史と概要

三千院は平安時代に最澄(さいちょう)が比叡山に建立した円融房(えんゆうぼう)が起源。


その後皇室が住職と務める門跡寺院となりました。火災や戦乱で移転を繰り返し、明治時代の1871年大原の地に移り三千院と呼ばれるようになりました。


境内にある往生極楽院は三千院が大原に移転してくる前からこの地にあって、内部には国宝の阿弥陀三尊像を安置しています。


デューク・エイセスの歌「女ひとり」にも三千院が登場することで有名になりました。天台宗を代表する門跡寺院、天台宗五門跡の1つ。


天台宗五門跡についてさらに詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。

写真撮影のポイント

三千院は比叡山の西側、川のある山間にあるので苔にとっては良い環境にあります。


境内には客殿の庭園、「聚碧園(しゅうへきえん)」と、往生極楽院のある「有清園(ゆうせいえん)」大きく分けて2つの庭があります。どちらにも苔はありますが、一面苔に覆われた庭は有清園の方。


直射日光があまり当たらないので美しい苔の絨毯が見られます。往生極楽院から少し奥へと進めば小さな石仏のわらべ地蔵が苔の上に置かれていて定番のフォトスポットになっています。


普段は石仏と、春はシャクナゲと、秋は紅葉と苔を一緒に撮影することができます。

拝観時間9時〜17時 / 8時30分〜17時(11月) / 9時〜16時30分(12〜2月)
住 所〒601-1242 京都府京都市左京区大原来迎院町540 map
電 話075-744-2531

祇王寺(嵯峨・嵐山エリア)

祇王寺の苔庭
祇王寺の歴史と概要

祇王寺(ぎおうじ)は法然の弟子•良鎮(しょうぼう)によって創建された往生院に始まります。


平清盛の寵愛(ちょうあい)を受けた祇王が、清盛の心変わりによって都を追われ母・妹と共に出家してこの寺に入りました。往生院は衰退し荒廃しましたが再建され、この地にゆかりのある祇王の名をとって祇王寺となりました。


観光地の嵐山でも少し奥にあるため春・秋の観光シーズン以外は比較的空いています。竹林と苔庭に草庵があるつつましいお寺。

写真撮影のポイント

祇王寺一番の魅力は小さいながらも美しい苔の庭です。特に雨上がりの後は青々とした苔が美しく、モコモコと盛り上がった苔もかわいらしい。


苔好きにはおすすめの庭園です。紅葉も植えられているので新緑の青紅葉、紅葉シーズンも美しい。しかし紅葉シーズンは観光客が多く庭を広く撮影することは難しくなります。


境内は狭いので、嵐山観光のついでに撮影して帰るのがおすすめです。

拝観時間9時〜16時30分
住 所〒616-8435 京都府京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32 map
電 話075-861-3574

「建築」を撮影するのにおすすめのお寺

長らく歴史の中心だった京都は戦乱や火災で多くの歴史的建造物を失いました。


特に京都中を焼き尽くしたといわれる室町時代応仁の乱(1467〜1477年までの11年間)の被害は大きく、京都にあるお寺の建物は古くてもそれ以降の再建になっているものが多いです。


そんな中応仁の乱を免れた貴重な建物が残るお寺がいくつかあり、ここでは醍醐寺の五重塔と大報恩寺(千本釈迦堂)の本堂を紹介します。


また建築として見て面白い、京都にありながら異国情緒漂う中国風建築の萬福寺を紹介します。

醍醐寺五重塔(山科・醍醐エリア)

醍醐寺五重塔
醍醐寺五重塔の歴史と概要

醍醐寺(だいごじ)の五重塔は平安時代の951年、醍醐天皇の冥福を祈るために建てられました。


高さ約38m、上層にいくほど屋根の幅が小さくなる初期の頃の建築様式を見ることができます。
応仁の乱で醍醐寺は炎上しましたが、五重塔は残りました。京都府内で最も古いの木造建築で国宝に指定されています。


京都の五重塔といえば新幹線からも見える東寺の五重塔や、京都観光の中心東山にある八坂の塔が有名ですがいずれも焼失しのちの時代に再建されたものです。


醍醐寺五重塔は火災に遭わず当時の姿が残っているのが貴重。もちろん修理は何度もされています。京都に残る数少ない平安時代の建築。

写真撮影のポイント

五重塔の正面は西を向いて立っているので朝は逆光、昼は反逆光、夕方は順光になります。


五重塔全体を撮影しようとすると、かなり大きいので後ろに下がって撮影する必要があります。五重塔の前面には広いスペースがありますが、左右と後ろ側には下がれるスペースがありません。


五重塔前面には桜、背面には紅葉があるので春は桜と、秋は紅葉と組み合わせての撮影ができます。

拝観時間9時〜17時(夏期) / 9時〜16時30分(冬期)
住 所〒601-1325 京都府京都市伏見区醍醐東大路町22 map
電 話075-571-0002

大報恩寺[千本釈迦堂]本堂(二条城・西陣エリア)

大報恩寺(千本釈迦堂)本堂
大報恩寺本堂の歴史と概要

大報恩寺(だいほうおんじ)は鎌倉時代の1221年、義空によって創建されました。本堂の本尊が釈迦如来であることにちなんで通称千本釈迦堂ともいわれます。


本堂は鎌倉時代の1227年に建てられました。
応仁の乱を免れた京都の中心部では最古の木造建築で国宝、鎌倉時代の建築を今に伝えています。


本堂の中の柱には応仁の乱の槍や刀傷が残っています。戦場の中心部にあったのに焼けなかったのは奇跡的です。

写真撮影のポイント

本堂はかなり大きので全体を撮影しようとすると引いて撮影しなければなりません。前面と左には下がれるスペースがありますが、右はスペースがなく後ろにはそもそも回れません。


本堂の前には春になるとおかめ桜と呼ばれるしだれ桜が咲きます。初めて行く場合はおかめ桜が咲く頃がおすすめ。本堂とおかめ桜を合わせて撮影できます。


境内は狭いので周辺観光のついでに撮影して帰るのがおすすめです。写真は撮れませんが仏像もいろいろなものが揃っているので見応えがあります。

拝観時間9時〜17時
住 所〒602-8319 京都府京都市上京区溝前町1034 map
電 話075-461-5973

萬福寺(宇治エリア)

黄檗山萬福寺
萬福寺の歴史と概要

萬福寺は江戸時代の1661年、中国の僧・隠元によって創建されました。


隠元は中国でも有名な僧で自身の寺「萬福寺」の住職をしていました。日本からの招きに応じて来日し、宇治の地に寺を開くことになると中国にある自身の寺「萬福寺」と同じ名前を付けました。


京都宇治にある萬福寺の建物は中国の明朝様式で建てられているため、日本のお寺とは異なった景観になっています。


萬福寺は一度も火災に遭わず創建された江戸時代のままの伽藍を保持しています。

写真撮影のポイント

中国風の建築が特徴の萬福寺では日本のお寺では見かけない建築方法やデザインが各所で使われています。扉に彫られた桃の実、卍字くずし勾欄(こうらん)などが各お堂で見られます。


また堂内に祀られている仏像の撮影も可能で、仏像も中国人仏師によって造られたものが多い。


京都にいながら中国のお寺の雰囲気を感じられる萬福寺は、ちょっと変わったお寺に行ってみたい人におすすめです。


萬福寺についてさらに詳しく知りたい方はこちら

拝観時間9時〜17時
住 所〒611-0011 京都府宇治市五ケ庄三番割34 map
電 話0774-32-3900

「仏像」を撮影するのにおすすめのお寺

京都にあるほとんどのお寺では仏像の撮影が禁止されています。しかし仏像が撮影できるお寺がないわけではありません。京都のお寺にある仏像は小・中くらいのサイズがほとんどですが、ここでは大きな仏像が撮影できるお寺転法輪寺(てんぽうりんじ)と一念寺の2箇所を紹介します。


どちらも毎年10月に行われる「京都浄土宗寺院特別大公開」のイベントで特別公開されることがあります。


イベント名からもわかるように浄土宗のお寺のみが特別公開されます。全てのお寺ではありませんが、このイベントで公開される浄土宗のお寺の中には仏像撮影が可能なお寺もあります。


この記事では紹介しませんがかつて京都には奈良の大仏をしのぐ高さ約19mの京都大仏がありました。京都大仏について詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。

転法輪寺(金閣寺・御室・太秦エリア)

転法輪寺阿弥陀如来坐像
転法輪寺の歴史と概要

転法輪寺は江戸時代の1758年、関通(かんつう)上人によって創建されました。


昭和時代に御室(おむろ)の地に移転。本堂に安置されている本尊、阿弥陀如来坐像は江戸時代に造られた高さ約7.5m京都で最大級の仏像「御室大仏」とも呼ばれています。

通常非公開のお寺です。いつでも拝観できるわけではありません。

観光寺院ではないので拝観は仏像の観賞がメインになります。

写真撮影のポイント

写真は「京都浄土宗寺院特別大公開」で特別公開されていた時に撮影したもの。内陣(仏像のすぐ近く)には入れないのでアップで撮影したい場合はズームレンズか望遠レンズが必要です。


とにかく巨大な仏像を撮りたい方は転法輪寺へ行ってみてください。本堂内は暗いので暗所性能に優れたカメラでの撮影がおすすめ。


「京都浄土宗寺院特別大公開」2023年の転法輪寺公開日は10月20日(金)〜11月12日 (日)で、拝観時間は10時〜16時でした。


京都で最大級の仏像がある転法輪寺についてさらに詳しく知りたい方はこちら

拝観時間通常非公開公開日・拝観時間は公式ホームページを要確認
住 所〒616-8007 京都府京都市右京区龍安寺山田町4 map
電 話075-464-2668

一念寺(伏見エリア)

一念寺阿弥陀如来坐像
一念寺の歴史と概要

一念寺は飛鳥時代の674年、宇治橋を架けたことでも知られる僧•道昭(どうしょう)によって創建されました。


その後真阿(しんあ)によって再興。室町時代の1437年、東大寺の念仏堂から丈六阿弥陀如来像が一念寺に移されました。


本堂に安置されている本尊、阿弥陀如来坐像は高さ約2.2m「鳥羽(とば)の大仏(おおぼとけ)」とも呼ばれています。

拝観は要連絡。小さなお寺なので連絡なしで訪れても対応してもらえない場合があります。

観光寺院ではないので拝観は仏像の観賞がメインになります。

写真撮影のポイント

写真は「京都浄土宗寺院特別大公開」で特別公開されていた時に撮影したもの。仏像の近くまでは入れないのでアップで撮影したい場合はズームレンズか望遠レンズが必要です。


端正な顔立ちの仏像が好みの方は一念寺へ行ってみてください。現在では小さなお寺の一念寺にこんな大きさの美しい仏像があることに驚くと思います。本堂内は暗いので暗所性能に優れたカメラでの撮影がおすすめ。


「京都浄土宗寺院特別大公開」2023年の一念寺公開日は、10月20日(金)〜22日 (日)3日間で、拝観時間は10時〜15時30分でした。

拝観時間要電話連絡
住 所〒612-8478 京都府京都市伏見区下鳥羽南三町45 map
電 話075-611-3434