
小学生の頃から習字を習い、書道部に所属していた書道経験者が京都で実際に頂いた御朱印の中から綺麗な文字で書いていただけるお寺を5箇所選びました。
どのような文字を綺麗と思うかは人それぞれなので、このランキングは私の主観的な選択です。
数年前に頂いたものもありますので現在では書き手の方も変わっている可能性があります。また絶対に綺麗な文字で書いてもらえるとは保証できませんので、京都で御朱印を頂く時の参考程度にしていただければ幸いです。
順位は綺麗な文字で書いてもらえる確率が高いお寺から選びました。
書き手の方が多くいるお寺では確率が下がるので、ランク外とさせていただきました。
御朱印代は一部を除き全て300円です。
・基本的に御朱印帳に書いてもらえる御朱印を掲載しています。
・書き置き(貼るタイプの御朱印)は掲載していません。
御朱印の文字が綺麗な京都のお寺TOP5
第5位 霊鑑寺門跡〈谷の御所〉

(左)◆洛陽十二支妙見めぐり 南無妙見大菩薩
(右)観世音 2018年春の特別公開のもの(椿のスタンプ付)
霊鑑寺門跡(れいかんじもんぜき)は通常非公開寺院です。
公開されるのは主に春と秋の数週間のみとなっています。
「椿の寺」として知られており、庭園に100種類以上の椿が植えられています。
初めて訪れるなら椿の花が咲く春の特別公開の期間に行くのがおすすめです。
2022年春の特別公開は3月19日(土)~4月10日(日)
御朱印情報や春の特別拝観の様子は下記のリンクからどうぞ↓
【京都】霊鑑寺2020年春の御朱印と拝観内容【犬好きにもおすすめのお寺】
御朱印の文字は少し引っ掛けるように書いた横画と強めの右上りが特徴的。大きく反った横画も書体のアクセントになっています。上の2つの御朱印と2019年、春の特別公開の時は「散椿」の御朱印も書いてもらうことができました。
2016年くらいまではご本尊の「如意輪観世音」と書かれていましたが、御朱印を頂く方が増えたのか2018年くらいから「観世音」と書かれるようになりました。
「如意輪観世音」だった頃の書体の方が伸びやかで美しくバランスもよかったので好きだったのですが2019年には書き置きのみでしか頂けなくなりました。
(記事の一番上の写真、左端が2016年に頂いた如意輪観世音の御朱印です。)
2019年あたりからいろいろな種類の書き置き御朱印を出されておりこれからも楽しみなお寺になりそうです。
また小さいサイズではありあすが、かなり凝った作りのオリジナルの御朱印帳が5種類あります。他ではあまり見ないような工夫されたデザインで、かわいいものもあって特に女性の方におすすめです。それぞれの最初のページには通常では書いていない御朱印があらかじめ入っています。
霊鑑寺の御朱印受付方法など
御朱印は、拝観受付とは別の御朱印受付で先に御朱印帳を預け、拝観後に受け取るスタイルです。御朱印受付にはゴールデンレトリバーがいて、犬好きの方に大人気です。
書き手の方がいない時は書き置きとなります。(書き置きは観世音のみ。)
特別公開の時だけ頂ける御朱印ですので、どうしても御朱印帳に直接書いてもらいたい方は電話などで書き手の方がいらっしゃるか確認してから行くのをおすすめします。
霊鑑寺御朱印の種類や霊鑑寺オリジナル御朱印帳について詳しく知りたい方は下記のリンクからどうぞ↓
霊鑑寺の御朱印2016〜2020年【春の特別公開御朱印まとめ】
第4位 法住寺

(上)法住寺オリジナル御朱印帳の御朱印
上の御朱印は版画家・木田安彦氏原作の「灰不動」御朱印帳〈鳥の子紙〉見開き御朱印付き2800円で販売されているものにあらかじめ書かれています。
左ページはご本尊の身代不動尊と右ページは不動真言。この御朱印は御朱印帳が無くなり次第終了されるかと思います。2021年2月時点でまだ御朱印帳の在庫はありました。
左ページの「身代不動尊」の御朱印は手持ちの御朱印帳にも書いてもらうことができます。(後ろの炎はありません。)その他にも「後白河院」・親鸞聖人そば喰いの御真影「南無阿弥陀仏」・赤穂四十七義士「忠臣蔵」・法住寺御詠歌などを書いてもらうことができます。
ご住職が書く御朱印の文字は独自の書風で書かれており、独特の雰囲気を持っています。文字の極端な大小やくずしがあってインパクトがあり、文字の構成も考えられていて他では真似できないオリジナルな魅力があります。
草書(昔の画数を省略した漢字)を活かして書かれていますので、現代の人が草書を読むのは難しいですがなんかすごい、かっこいいというのは伝わるかと思います。
法住寺の御朱印受付方法など
御朱印受付は本堂入って左側、書いて頂ける見本も出ています。その場ですぐに書いてもらうことができます。
但し、ご住職がいない時はこの書体で頂くことはできません。
法住寺は京都の御朱印が好きな方ならだいたいが知っている、季節や行事ごとに工夫された御朱印を出されているお寺です。絵入りの御朱印も直書きしてもらうことができる(条件あり)ので、遠方の方もホームページやSNSの情報をチェックして訪れてみてはいかがでしょうか。
第3位 正寿院

(左)正寿院ご詠歌 (右)不動尊
ご詠歌の文字
「世をすくう めぐみあればや 滝谷の 流れにまかす おやまだのはら」
正寿院(しょうじゅいん)は客殿にあるハート型の猪目窓(いのめまど)や夏の風鈴祭りが女性やカップルに人気のお寺です。
御朱印は他にもご本尊 「観世音」や「地蔵尊」各種書き置き御朱印を頂くことができます。
正寿院は快慶作の不動明王像を寺宝として持っています。(仏像は奈良国立博物館に寄託。)運慶・快慶、東大寺南大門の金剛力士像で有名な仏師です。
上の不動尊の御朱印左上の赤文字、梵字(アン)阿弥陀仏は快慶のこと。
快慶は阿弥陀如来を信仰しており、自分でもたくさんの阿弥陀仏像を制作しています。
御朱印の文字は極細線を生かしたシャープで伸びやかな書体で書かれています。細い線が全体を軽やかにしており、文字に繊細さと躍動感を与えています。
線の太い所と極端に細い所の差が大きく、メリハリのある文字です。
ご詠歌の文字は細い線で流れるように書かれており涼しさを感じさせます。
正寿院の御朱印受付方法など
御朱印は、本堂の拝観受付で先に御朱印帳を預け、拝観後に受け取るスタイルです。
書き置きの御朱印であれば正寿院ホームページの授与品から申し込めば郵送対応してくれます。
快慶作の不動明王の写真が入った季節の御朱印がかっこいいのでおすすめです。
正寿院は公共交通期間で行くのはなかなか苦労します。バスの本数が少ないので車かバイクで行くのがおすすめです。無料駐車場もあります。
初めて訪れるなら夏の風鈴祭りが行われる時期がいいかと思います。毎年7月1日から9月18日まで、2000個を超える風鈴が本堂前に吊られ境内が華やかになります。
第2位 金閣寺(鹿苑寺)
(左)舎利殿 (右)石不動尊
誰が見ても綺麗だなと感じる、基本的な美しさを持つ金閣寺の御朱印。おそらく書くのが上手な方を雇っているのではないかと思うほどいつ行っても安定した綺麗な文字で頂けます。書き手の方は2人対応ですがどちらを選んでもあまり差はないと思います。
舎利殿の御朱印は堂々としていて文字の形も整っており美しいです。真ん中の利を小さくして3文字をバランスよくまとめています。細筆で書かれた日付なども行書と草書を組み合わせてあり綺麗です。
石不動尊の御朱印、中央の文字は少しアンバランスに見えますがそれでも細筆で書かれた部分は素早い筆致で流れるように書かれており躍動感を感じます。
金閣寺御朱印の注意点
●基本的に舎利殿の御朱印のみ御朱印帳に書いてもらえます。
●石不動尊の御朱印は書き置きのみとなっています。(※年2回は直書き。)
何年か前までは石不動尊の御朱印も、いつでも御朱印帳に直書きしてもらえました。しかし最近では2月3日と8月16日の不動堂が開扉される年2回のみ直接御朱印帳に書いてもらえるようになっています。
2018年8月16日に石不動尊の御朱印を御朱印帳に書いて頂いた時は舎利殿の御朱印は書き置きのみの対応となっていました。
金閣寺の御朱印受付方法など
御朱印は、金閣寺の出口付近(不動堂横)の朱印所で書いてもらえます。人気の観光スポットなので御朱印待ちの行列ができていることもあります。基本は「舎利殿」だけの直書きとなりますので、観光シーズン以外は混んでいてもそれほど待つことはありません。
第1位 永観堂 禅林寺
◆西山国師十六霊場 第八番 御朱印とご詠歌

(左)ご詠歌 (右)顧阿弥陀如来
ご詠歌の文字
「しのびねも おとなかりけり ほととぎす こやしずかなる はやしなるらん」
◆法然上人二十五霊場 縁故霊場 御朱印とご詠歌
(左)ご詠歌 (右)法然上人
ご詠歌の文字
「南無阿弥陀とばかり きくぞ身をかえぬ この世ながらの仏なりけり」

(上)南無帰依法
もっとも御朱印の文字が綺麗なだと思ったお寺は、「もみじの永観堂」で有名な紅葉の名所、永観堂禅林寺です。永観堂(えいかんどう)は通称、禅林寺(ぜんりんじ)がお寺の名前です。
文字の美しさと、この文字で書いて頂ける確率が高いことから第1位としました。
掲載している御朱印は2016年・2017年のものですが、2020年でもSNS等で見かける永観堂「顧阿弥陀如来」の御朱印の書体はほぼ同じです。
細身ながら鋭くしっかりした書体で、かなり書の経験がある方が書かれているかと思います。
永観堂の御朱印は書く文字数も多いです。単純に文字が多くなれば整えなければならない所も増えるので、気を使うと思います。それでも一文字ごとの形も綺麗でどの御朱印も全体のバランスが整えられており、細筆で書かれたお寺の名前まで綺麗です。
御朱印だけでなくご詠歌(写真の細かい文字で書かれている方)も細いですがしっかりした書体で美しく、余白の空間を考えて文字を配置してあります。
ご詠歌はお願いしないと書いてもらうことはできません。また書けない可能性もあります。見本も出ていません。時間がある時(拝観者が少ない時)にお願いしてみるといいかもしれません。
永観堂の御朱印受付方法など
御朱印は、大玄関の拝観受付で先に御朱印帳を預け、拝観後にに受け取るスタイルです。
秋の紅葉のシーズンはかなり混雑します。事情により希望した御朱印に対応できないことがあるようなので、できれば混雑するシーズンを避けて訪れたほうが御朱印を頂きやすいかと思います。
お気に入りのかっこいい御朱印や、かわいい御朱印を手に入れたなら御朱印帳を見開きで飾れるフレームがあります。
御朱印を部屋に飾って旅の思い出を振り返ったり、御朱印帳がいっぱいになったらインテリアとして御朱印を楽しんでみてはいかがでしょうか。
永観堂 禅林寺
拝観時間:午前9時~午後5時(受付は午後4時で終了)
電話:075-761-0007
金閣寺(鹿苑寺)
拝観時間:午前9時~午後5時
電話:075-461-0013
正寿院
拝観時間:4~10月 午前9時~午後4時30分 11~3月 午前9時~午後4時
電話:0774-88-3601
法住寺
拝観時間:午前9時~午後4時30分
電話:075-561-4137
霊鑑寺門跡 通常非公開で春と秋の特別公開期間だけ拝観できます。
拝観時間:午前10時~午後4時
電話:075-771-4040
※拝観時間は特別公開や時期によって変更される場合があります。必ず事前にご確認ください。