【京都不動明王の御朱印巡り】近畿三十六不動尊 京都霊場の御朱印一覧

岩屋寺不動明王石仏

近畿三十六不動尊は大阪府・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県・兵庫県の不動明王を祀る36箇所のお寺を巡るもので昭和54年(1979)に発足されました。

この近畿三十六不動尊の中から京都の霊場11箇所の不動明王御朱印を紹介します。

京都の霊場は第13番大覚寺門跡から第24番の岩屋寺まで。
(第21番は兵庫県の中山寺なので御朱印は掲載していません。)


本来は専用のバインダーに御朱印をいただくのですが、手持ちの御朱印帳にも御朱印を書いていただくことができます。ほとんどのお寺ではご詠歌(五・七・五・七・七で書かれた和歌のようなもの)も書いてもらうことができますが、必ず書いてもらえるものではないのでご了承ください。忙しい時やご詠歌を書ける人がいない場合書いてもらえません。


大きなお寺が多いので、普通に御朱印をお願いするとご本尊の御朱印を書かれる可能性があります。お願いする時は必ず近畿三十六不動尊の御朱印とご詠歌でお願いしてください。掲載している御朱印・ご詠歌はすべて各300円です。

第18番聖護院門跡のみ梵字の御朱印がいただけます。

掲載している御朱印は私がいただいた当時のものです。現在では書いてもらえなくなったり、書き置きに変わっている場合があります。

京都の御朱印まとめ、薬師如来の御朱印巡りに興味がある方はこちらへどうぞ。

第13番 大覚寺門跡

大覚寺の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 五大明王

ご詠歌の文字
「もろもろの 病すくひし 御仏を わけてたのめよ この世のちの世」

御朱印は拝観受付右の御朱印受付へ先に御朱印帳を預け帰りに受け取ります。


大覚寺オリジナルの御朱印帳が販売されているので御朱印帳の用意がなくても大丈夫です。


不動明王は単体でお祀りされることもありますが、不動明王を中心に五大明王として五体一組でお祀りされているお寺もあります。


不動明王・降三世(ごうざんぜ)明王・軍荼利(ぐんだり)明王・金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王・大威徳(だいいとく)明王の五体が横一列に並んでいる姿は迫力があります。


大覚寺の貴重な五大明王が安置されている霊宝館は有料で春と秋のみ公開。明円作の五大明王(平安時代)が有名ですが、もう一組巨大な五大明王も安置されており迫力があります。普段は五大堂(本堂)に安置されている五大明王を見ることができます。

霊宝館にある明円作の五大明王と、もう一組の巨大な五大明王はこの本に大きく取り上げられています。

大覚寺は桜が多く植えられており、霊宝館も開館する春がおすすめです。

第14番 仁和寺

仁和寺の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 水掛不動尊

ご詠歌の文字
「わけのぼる 花の嵐の 梢より おむろの山に 月ぞかがやく」

御朱印は御殿の入口受付霊宝館前受付2箇所どちらでも書いてもらえます。

写真左 / 御殿入口入ってすぐに御朱印受付があります。写真右 / 霊宝館前受付。

御殿の入口には仁和寺オリジナルの御朱印帳が販売されているので御朱印帳の用意がなくても大丈夫です。


水掛不動尊が祀られているのは金堂西側のひっそりとしたエリア。まっすぐにのびた道の先に小さなお堂が建っています。

仁和寺は大きなお寺ですが境内には無料で入ることができます。

御朱印をもらうだけなら拝観料は必要ありません。御殿の方での御朱印も御殿内を見学しないのであれば拝観料は必要ありません。御殿入口で書き終わるのを待つだけです。霊宝館前受付も無料のエリアにあります。

ただし御室桜の開花時期は境内に入るのが一部(御室桜のあるエリア)が有料になります。

仁和寺水掛不動尊

近畿三十六不動尊の京都の霊場11箇所の中で、仁和寺の水掛不動尊のみ写真撮影ができます。


小さなお堂の中にある不動明王像で、置いてある長いひしゃくで水を掛けてお参りします。

第15番 蓮華寺

蓮華寺の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 五智不動尊

ご詠歌の文字
「つみとがも やきほろぼさん ちかいにて ほのほのなかに たちませるみを」

仁和寺の東側にあるお寺で歩いてすぐ着きます。御朱印は納経所にて、ご詠歌は書いてもらうことができなくなりました。


五智不動尊は不動堂に祀られています。境内にある五智如来の石仏がかわいいのでおすすめです。境内無料。

第16番 三千院

三千院の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 金色不動尊

ご詠歌の文字
「大原の 里と聞きつつ 訪ね入れば また道ながら 袖しぼりけり」

御朱印は金色不動堂拝観場所最後にある売店2箇所どちらでも書いていただけます。

売店の方ではご詠歌が対応されて無かったことがあったので、ご詠歌も書いてもらいたい場合は金色不動堂でお願いした方がいいかもしれません。


三千院オリジナルの御朱印帳が販売されているので御朱印帳の用意がなくても大丈夫です。


金色不動堂に安置されている金色不動明王は秘仏ですが、毎年4月に行われる不動大祭期間中は数日間公開されています。期間中は紺地に金の書き置き御朱印もいただけます。

三千院書き置きの御朱印

金色不動明王公開時の御朱印 書き置きのみ

第17番 曼殊院門跡

曼殊院の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 黄不動尊

ご詠歌の文字
「法のため 我がたつそまぎ ひくからに 月もくもらぬ 世を祈るかな」

御朱印は拝観受付で先に御朱印帳を預け帰りに受け取ります。ご詠歌は書いてもらうことができなくなりました。


曼殊院オリジナルの御朱印帳が販売されているので御朱印帳の用意がなくても大丈夫です。


滋賀県の三井寺に伝わる日本三不動画の1つ黄不動を手本として描かれた曼殊院の黄不動は、国宝で京都国立博物館に寄託されています。曼殊院では複製しか見れませんが、他にも魅力のあるお寺です。細部のデザインが凝っている建築や大きな台所、美しい美術品も展示されているので建築や美術が好きな人におすすめできるお寺です。

2023年6月、150年ぶりに再建された宸殿を見に訪れた時には御朱印は書き置きのみとなっていました。

御詠歌に続いて黄不動の御朱印も直接書いてもらうことができなくなり残念です。

第18番 聖護院門跡

聖護院の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 梵字(カーン)

ご詠歌の文字
「ありがたや 聖の森に ひびく法螺 智慧のほのおに 心あらわる」

京都の霊場で唯一不動明王の梵字で書いていただける御朱印です。

御朱印は本堂前の納経所で書いていただけます。


聖護院オリジナルの御朱印帳が販売されているので御朱印帳の用意がなくても大丈夫です。

聖護院門跡は通常非公開のお寺で、普段は本堂にお祀りされている不動明王像を外からお参りできるようになっています。特別拝観の時以外は建物の中に入れないのでお参りに時間はかかりません。境内は無料です。

第19番 青蓮院門跡

◆青蓮院門跡の御朱印とご詠歌

青蓮院の御朱印

◆将軍塚青龍殿の御朱印とご詠歌

将軍塚青龍殿の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 青不動

ご詠歌の文字
「おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに 墨染めの袖」

青蓮院門跡と山の上にある将軍塚青龍殿同じ御朱印とご詠歌がいただけます。(全く別の場所です。同じ境内ではありません。)

御朱印は青蓮院門跡では拝観受付で先に御朱印帳を預け帰りに受け取ります。
将軍塚青龍殿では青龍殿内で御朱印を書いていただけます。


青蓮院門跡と将軍塚青龍殿ではオリジナルの御朱印帳が販売されているので御朱印帳の用意がなくても大丈夫です。


日本三不動画の1つ青不動は国宝で滅多に実物を見ることはできません。京都東山山頂にある将軍塚青龍殿にあり普段は複製品を見ることができます。


お庭を見てゆっくりしたいのであれば青蓮院門跡へ、青不動を見たいのであれば将軍塚青龍殿へ行くのがおすすめです。青蓮院門跡・将軍塚青龍殿の御朱印の違いも、将軍塚青龍殿の御朱印左下の印が青蓮院青龍殿に変わるくらいしかありません。アクセスしやすいのは青蓮院門跡の方です。

池のある庭と巨大なクスノキがある青蓮院門跡。

将軍塚と庭園、京都の街が一望できる山の上にある将軍塚青龍殿。

第20番 智積院

智積院の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 智恵不動

ご詠歌の文字
「ちえをつみ とくをみがくの てらなれば このよをてらす のりのともしび」

御朱印は智積院入口の受付案内所に御朱印帳を預け帰りに受け取ります。


智積院オリジナルの御朱印帳が販売されているので御朱印帳の用意がなくても大丈夫です。


収蔵庫・名勝庭園は有料になりますがその他の境内は無料です。御朱印だけなら拝観料は必要ありません。不動明王が祀られている明王殿も無料エリアにあります。毎年6月15日の青葉まつりの日は収蔵庫・名勝庭園もすべて無料で見ることができます。

第22番 不動院

北向山不動院の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 一願不動

ご詠歌の文字
「はるばると したいきたれる きたむきざん いままのあたり おがむうれしさ」

御朱印は本堂入口で中を拝見させてもらっているうちに書いてもらえます。


御詠歌は書いてもらえる可能性が低いです。再度訪れた時は書いてもらえませんでした。


本尊は康助作の不動明王。秘仏で毎年1月16日のみ開扉されます。境内には五大明王や十二支の守り本尊の石仏があります。小さなお寺なのでお参りに時間はかかりません。境内は無料です。

第23番 醍醐寺

醍醐寺の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 五大力尊

ご詠歌の文字
「千年経て わきて尽きせぬ 山清水 不動の慈悲を 今に伝えて」

醍醐寺は山の上の上醍醐と山の下の下醍醐に分かれており、御朱印は下醍醐にある観音堂内の納経所にていただけます。


醍醐寺オリジナルの御朱印帳が販売されているので御朱印帳の用意がなくても大丈夫です。


上醍醐の五大堂に安置されていた五大明王像は現在下醍醐の霊宝館に安置されています。霊宝館は春と秋のみ公開。春期3月20日〜5月15日・秋期10月15日〜12月10日は拝観料が1500円と高くなります。下醍醐の伽藍・三宝院・霊宝館の共通拝観券になっています。


下醍醐の伽藍には951年完成の京都府下最古の木造建造物、国宝の五重塔があります。


三宝院には快慶作の弥勒菩薩坐像や豊臣秀吉が設計したと伝わる豪華な庭園があります。三宝院に興味がある方は下記のリンクからどうぞ↓
【2022年京の冬の旅】醍醐寺三宝院の特別公開と弥勒菩薩の限定御朱印


霊宝館には五大明王像の他にも国宝の薬師如来坐像や快慶作の不動明王坐像など多数の文化財があります。


他のお寺より拝観料が高いですが一度は見ておく価値があると思います。

三宝院庭園(写真左)や下醍醐の国宝五重塔(写真右)など見所が多いお寺です。醍醐寺開創の地、上醍醐へ行くには約1時間の山登りが必要です。

この仏像フィギュアのモデルは醍醐寺にある快慶作の不動明王です。

第24番 岩屋寺

岩屋寺の御朱印

(左)ご詠歌             (右)御朱印 : 大聖不動尊

ご詠歌の文字
「大聖の 祈る力は げに岩屋 石の中にも 極楽ぞあり」

御朱印はお堂の中で書いていただけます。


大石内蔵助の念持仏とされる不動明王像は秘仏ですが、12月14日から1月28日まで開扉されています。境内は無料です。


忠臣蔵の大石内蔵助が隠れ棲んだことから大石寺とも呼ばれています。住宅地の奥にあるので初めてだとちょっと迷うかもしれません。この記事のトップ石不動の画像は岩屋寺のものです。

近畿三十六不動尊 京都の霊場まとめ

大覚寺

近畿三十六不動尊の京都霊場は有名なお寺が多く選ばれているのでお参りだけでなく観光も十分楽しめるかと思います。


京都の霊場11箇所はだいたい3つのグループに分けることができます。

①拝観に時間が必要な大規模のお寺

第13番大覚寺門跡・第14番仁和寺・第16番三千院・第23番醍醐寺

建物や庭園、文化財などの見所が多くすべてのお寺に宝物館があります。三千院以外は春と秋のみ開館です。春か秋時間に余裕を持って行くことをおすすめします。


仏像でおすすめなのは大覚寺・醍醐寺の五大明王像です。どちらも春と秋のみ開館の宝物館にあります。

②そこそこの時間で拝観できる中規模のお寺

第17番曼殊院門跡・第19番青蓮院門跡と将軍塚青龍殿・第20番智積院

小さな桂離宮と言われる建築に特徴のある曼殊院門跡。池のある庭園がある青蓮院門跡と日本三大不動画の一つ青不動がある山の上の将軍塚青龍殿。収蔵庫(長谷川等伯親子の絵)と名勝庭園のある智積院とそれぞれのお寺に特徴があります。

③少しの時間で拝観できる小規模のお寺

第15番蓮華寺・第18番聖護院門跡・第22番不動院・第24番岩屋寺

この4つのお寺はお参りがメインで境内も小さいので拝観時間はあまり必要ありません。


蓮華寺は仁和寺と、聖護院門跡は京都熊野神社と、不動院は城南宮と、岩屋寺は大石神社など近くの有名なお寺や神社と合わせて回るのがおすすめです。


この記事を読んで興味を持った方はガイドブックを片手に京都の霊場を巡ってみてはいかがでしょうか。

近畿三十六不動尊霊場会監修のガイドブック。不動明王の説明、36箇所の霊場案内と法話から構成される本で、各霊場案内と法話はともに見開き1ページ分なので読みやすい本になっています。

京都の霊場データ一覧

拝観時間や拝観料は季節や行事などで変更される場合があります。必ずご自身でホームページや電話などでお確かめください。

第13番 大覚寺門跡

拝観時間
【お堂】午前9時〜午後5時(午後4時30分受付終了)
【大沢池】午前9時〜午後5時(午後4時30分受付終了)
拝観料
【お堂】大人500円 / 小中高300円
【大沢池】大人300円 / 小中高100円
電話 : 075-871-0071

第14番 仁和寺

【3~11月】 午前8時30分~午後4時30分
【12~2月】 午前9時~午後4時
拝観料
【御殿】大人・高校生500円 / 小・中学生300円
【霊宝館】大人500円 ※春と秋のみ開館
電話 : 075-461-1155

第15番 蓮華寺

拝観時間 : 午前8時〜午後5時
拝観料 : 無料
電話 : 075-462-5300

第16番 三千院

拝観時間
午前9時〜午後5時
【11月】 午前8時30分~午後5時
【12月~2月】 午前9時~午後4時30分
拝観料 : 一般700円 / 中学生・高校生400円 / 小学生150円
電話 : 075-744-2531

第17番 曼殊院門跡

拝観時間 : 午前9時〜午後5時(受付終了午後4時30分)
拝観料 : 一般600円 / 高校生500円 / 中学生・小学生400円
電話 : 075-781-5010

第18番 聖護院門跡

拝観時間
【9〜3月】午前9時30分〜午後4時30分
【4〜8月】午前9時30分〜午後5時
拝観料 : 無料
電話 : 075-771-1880

第19番 青蓮院門跡

拝観時間 : 午前9時〜午後5時(午後4時30分受付終了)
拝観料 : 大人500円 / 中学生400円 / 小学生200円
電話 : 075-561-2345

将軍塚青龍殿

拝観時間 : 午前9時〜午後5時(午後4時30分受付終了)
拝観料 : 大人500円 / 高校生・中学生400円 / 小学生200円
電話 : 075-771-0390
青蓮院門跡よりタクシー 約10分

第20番 智積院

拝観時間 : 午前9時〜午後4時
拝観料
【収蔵庫・名勝庭園】一般500円 / 高校生・中学生300円 / 小学生200円
電話 : 075-541-5361

第22番 不動院

拝観時間 : 午前8時〜午後5時
拝観料 : 無料
電話 : 075-601-4588

第23番 醍醐寺

拝観時間と拝観料は醍醐寺ホームページを参照ください。
電話 : 075-571-0002

第24番 岩屋寺

拝観時間 : 午前9時〜午後4時30分
拝観料 : 境内無料 / 義士の資料観覧は400円
電話 : 075-581-4052