京都と滋賀にまたがる世界遺産比叡山延暦寺。
延暦寺という1つの建物があるわけではなく、比叡山に点在するおよそ100の仏堂や仏塔の総称です。
平安時代の僧、最澄(さいちょう)が比叡山に入り薬師如来像を自ら刻み、788年一乗止観院(後の根本中堂)を建立したのが始まりとされています。
その後延暦寺は天台宗総本山となり仏教を学ぶ者の総合大学として法然・親鸞・栄西・道元・日蓮などの名僧を輩出しました。
1571年の織田信長による比叡山焼き討ちからも復興し、最澄の教えを現在に伝えています。
[ もくじ ]
比叡山延暦寺の御朱印
画像 : 延暦寺三塔巡拝マップ
先程も述べたように延暦寺という1つの建物があるわけではありません。
御朱印は比叡山に点在する各お堂を回っていただくようになっています。
比叡山は大きく東塔(とうどう)・西塔(さいとう)・横川(よかわ)と3つのエリアに分かれており、とても広く1日で回ることは難しいと思います。
東塔・西塔・横川の3つのエリアの移動は基本的に比叡山内を走るバス移動となります。
西塔・横川エリアは午後4時で閉まってしまう(3月〜11月)ので特に注意が必要です。
初めて行く場合は行きたいエリアを絞るか、東塔エリアにある延暦寺の宿坊、延暦寺会館で宿泊してゆっくり巡るのがいいかもしれません。
延暦寺会館の予約は下のリンクからどうぞ↓
この記事では比叡山延暦寺の公式ホームページに掲載されていない御朱印も紹介しています。観光ルートから外れるので必要なければ無理に行くことはありません。
[ 注意事項 ]
◆東塔・西塔・横川エリアへ入るには拝観料が必要です。
[東塔・西塔・横川共通券]
大人 1000円 / 中高生 600円 / 小学生 300円
◆御朱印の内容・価格はいただいた当時のものです。現在では受付場所や内容が変更されている可能性があります。
◆2024年4月1日から延暦寺の御朱印は500円になりました。
この記事で紹介している御朱印はいただいた当時の価格300円で表示しています。
※ご詠歌(細い文字で書かれているもの)の見本は基本的に出ていないのでお願いしないと書いていただくことはできません。また必ず書いていただけるわけではありません。
東塔エリアの御朱印がもらえる所
上のマップは東塔エリアで御朱印をもらえる所(赤色のピン)です。
延暦寺の公式ホームページで紹介されている所のみのマップです。
東塔エリア
東塔エリアの中心は国宝の根本中堂です。周りには御朱印がいただけるお堂が密集しているのでスムーズに回れるかと思います。根本中堂の反対側にある文殊楼(もんじゅろう)の階段がちょっとキツイかもしれません。
根本中堂の御朱印
延暦寺の総本堂にあたる根本中堂は2016年から約10年をかけての大修理を行っているため、根本中堂の御朱印授与は万拝堂で行われています。(2017年11月21日現在)
(左)ご詠歌 300円 (右)御朱印 : 医王殿 300円
ご詠歌の文字
「あきらけく 後(のち)の仏のみ世までも 光り伝えよ 法(のり)のともしび」
ご詠歌は最澄が比叡山に登り、自ら刻んだ薬師如来の前に灯明をともした時に詠んだ歌です。この灯明が現在まで灯り続けている根本中堂の不滅の法灯です。
ご詠歌はお願いしないと書いていただくことができません。また混雑時は書いていただけない場合があります。
このご詠歌は延暦寺のオリジナル御朱印帳にも書かれています。
紙質がいい御朱印帳なので延暦寺専用にしたり、長く使いたい人におすすめです。詳しく知りたい方は下記のリンク延暦寺の御朱印帳の所へどうぞ↓
京都の御朱印帳はどこで買うのがいいのか【おすすめの5つのお寺を紹介】
◆西国四十九薬師霊場 第四十九番の御朱印
根本中堂は西国薬師霊場の第四十九番でもあります。西国薬師霊場で御朱印をいただく場合は右上の印が変わります。
医王殿 300円
文殊楼の御朱印
延暦寺の総門にあたる文殊楼。文殊菩薩が祀られている2階へ上がることができます。
文殊菩薩 300円
万拝堂の御朱印
大悲殿 300円
大黒堂の御朱印
大黒天 300円
大講堂の御朱印
大日如来 300円
阿弥陀堂・法華総持院東塔の御朱印
阿弥陀堂と法華総持院東塔の御朱印は阿弥陀堂右側の御朱印所で一緒に書いてもらうことができます。
(左)五智如来 300円 (右)寂光殿 300円
正覚院不動(延暦寺会館前)の御朱印
かつて正覚院があった跡地に建てられた延暦寺会館のフロントにて御朱印がいただけます。この御朱印は書き置き(貼るタイプ)のみとなっています。
不動尊 300円(書き置きのみ)
東塔エリアの御朱印がもらえる所(延暦寺非公式)
これより下の法然堂・無動寺明王堂・無動寺弁天堂の御朱印は延暦寺公式ホームページには掲載されていません。
東塔の中心部からは離れているので無理に行く必要はありません。
法然堂の御朱印
延暦寺会館の横の急な坂道を下ると法然上人が出家得度された法然堂があります。
(左)ご詠歌 300円 (右)御朱印 : 法然上人 300円
ご詠歌の文字
「月影の いたらぬ里は なけれとも ながむる人の 心にぞすむ」
◆西山国師十六遺跡霊場 客番の御朱印とご詠歌
(左)ご詠歌 300円 (右)御朱印 : 文殊大士 300円
ご詠歌の文字
「千代かけて 世をば救ひの 鐘の音を 送り絶えせぬ 比叡の山風」
無動寺明王堂の御朱印
ケーブル延暦寺駅裏の鳥居をくぐり谷をひたすら下ると無動寺明王堂に着きます。運動不足の人にはかなりキツイ下り坂が続き時間と体力(帰りはすべて登り)を使うので初めて延暦寺を訪れた方は行かない方がいいです。
無動寺明王堂へ行くには時間がかかります。
◆近畿三十六不動霊場 第二十六番の御朱印とご詠歌
(左)ご詠歌 300円 (右)御朱印 : 無動尊 300円
ご詠歌の文字
「詣で来る 人のねがひの 満ち足れと ただひとすじ耳 祈る明け今れ」
無動寺弁天堂の御朱印
無動寺明王堂へ向かう道の途中にあります。道順としては弁天堂の方が先に到着します。無動寺明王堂とは別の方向にある坂道を進むので往復が地味にキツイです。
大弁財天女 300円
西塔エリアの御朱印がもらえる所
西塔エリアで御朱印がもらえるのは釈迦堂のみになります。
西塔エリア
西塔エリアの中心は釈迦堂(転法輪堂)です。比叡山内の移動は基本的にバス移動となりますが、東塔から西塔エリアへは歩いて行くのがおすすめです。
途中に戒壇院や浄土院(最澄の御廟)やにない堂など特徴的な建物があり、時間はかかりますが山の中を歩く気持ちよさを感じられます。
左上 : 戒壇院 左下 : 浄土院 右下 : にない堂(常行堂と法華堂のうち常行堂)
釈迦堂(転法輪堂)の御朱印
(左)大弁財天女 300円 (右)大雄殿 300円
相応和尚1100年御遠忌記念 本尊釈迦如来御開帳
◆内陣特別拝観 : 2017年8月1日(火)〜12月10日(日)
◆秘仏本尊 釈迦如来像御開帳 : 2017年10月1日(日)〜12月10日(日)
比叡山延暦寺の長い歴史の中でも初めて釈迦堂の内陣が一般に公開され、秘仏の最澄自作とされる木造釈迦如来立像も御開帳されました。
この御朱印は期間中のみ授与されたものです。
大雄殿 300円
峰道レストランから青龍寺
西塔から横川へ向かう途中のバス停がある峰道レストラン向かい側の細い道から行くことができる黒谷青龍寺。観光客は絶対に立ち入らないであろう山道をひたすら歩いてやっと到着します。
黒谷青龍寺の御朱印は延暦寺公式ホームページには掲載されていません。また黒谷青龍寺へ行くには時間がかかります。
黒谷青龍寺の御朱印
黒谷青龍寺は法然が修行した場所です。
◆法然上人二十五霊場 特別霊場の御朱印とご詠歌
(左)ご詠歌 300円 (右)御朱印 : 阿弥陀如来 300円
ご詠歌の文字
「たつ杣(そま)や 南無阿弥陀仏の 声引くは 西にいざなう 秋の夜の月」
横川エリアの御朱印がもらえる所
上のマップは横川エリアで御朱印をもらえる所(赤色のピン)です。
延暦寺の公式ホームページで紹介されている所は横川中堂と元三大師堂の2箇所。
横川定光院は延暦寺の公式ホームページでは紹介されていません。
横川エリア
横川エリアの中心は横川中堂です。東塔から西塔までは歩いていけますが、西塔から横川へはとても歩いてはいけません。バスで向かうことになるのでバスの時間も気にしなくてはなりません。
また御朱印がいただける横川中堂と四季講堂(元三大師堂)と定光院はそこそこ離れており歩いて行くしかないので時間を取られます。一番奥にある横川定光院は谷を下るので時間と体力が必要です。
横川中堂の御朱印
◆新西国三十三所 第十八番の御朱印とご詠歌
(左)ご詠歌 300円 (右)御朱印 : 大悲殿 300円
ご詠歌の文字
「千代かけて 世をば救ひの 鐘の音を 送り絶えせぬ 比叡の山風」
恵心堂の御朱印
無量寿 300円
四季講堂(元三大師堂)の御朱印
四季講堂(元三大師堂)はおみくじ発祥の地とされています。
(左)大弁財天 300円 (右)元三大師 300円
横川定光院の御首題
横川定光院(よかわじょうこういん)は日蓮が比叡山での修行の拠点とした場所。日蓮宗は御朱印ではなく独特の書体で書かれた御首題になります。こちらの御首題は書き手の方がいない場合書き置きになります。これまで2回行って2回ともいらっしゃいませんでした。
横川定光院の御首題は延暦寺公式ホームページには掲載されていません。また横川定光院へ行くには時間がかかります。
南無妙法蓮華経 300円
比叡山延暦寺の御朱印巡りまとめ
ここまでたくさんの御朱印を紹介してきましたが比叡山はとても広く1日で東塔・西塔・横川を回るのはかなり大変です。
延暦寺の御朱印巡りをする場合はできるだけ若いうちがおすすめです。バスではいけない場所もあり、道も険しい所もあるので時間と体力を結構使います。
特に県外からの観光となると昼頃に到着して東塔エリアをゆっくり見ていたら西塔や横川を見る時間がなくなります。
ゆっくりと観光や御朱印巡りをしたい場合は東塔エリアにある延暦寺会館で宿泊し、数日かけて回るのがおすすめです。
延暦寺会館の予約は下のリンクからどうぞ↓
比叡山延暦寺
[ 拝観時間 ]
◆東塔地区
3月〜11月 / 8時30分~4時30分
12月 / 9時~4時
1月〜2月 / 9時~4時30分
◆西塔・横川地区
3月〜11月 / 9時~4時
12月 / 9時30分~3時30分
1月〜2月 / 9時30分~4時
※受付は閉堂の30分前まで。