【小野小町ゆかりの寺】京都随心院 2021年梅園無料公開と春限定御朱印

随心院小野梅園

2021年になっても未だに収束する雰囲気がない新型コロナウイルス。私達の生活も我慢を強いられる状態が続いています。


京都でも毎年行われているイベントが中止になったり、縮小されたりして元の形には戻っていません。


京都市山科区小野にある随心院でも毎年行われているはねず踊り(3月最終日曜日) がコロナで中止になりました。


このようなコロナ禍で苦しい現状をかんがみて、少しでも気持ちが穏やかになるように随心院では2021年小野梅園が無料公開されます。これに合わせて秘仏である本尊の公開と、春の限定御朱印が授与されます。

名勝 小野梅園

随心院小野梅園

小野梅園の公開は毎年行われていますが、2021年は無料で公開されます。

通常は入園料500円が必要ですが、2021年はコロナで塞ぎ込みがちな心をはねずの梅を愛でることで明るくなってもらえるようにと無料公開になったようです。

【公開期間】2021年3月8日(月)~31日(水)
【時間】9:00~16:00

期間中は秘仏の本尊公開や春の限定御朱印が授与されます。

※御本尊を見るには拝観料が必要です。

薄紅色の花を咲かせる「はねずの梅」は遅咲きの梅で、園内にはピンクや白の梅が咲き誇ります。

例年では3月中旬頃が見頃のようですが今年は開花がはやく、訪れた3月15日ではすでに見頃を過ぎていました。

写真左は梅園の梅と、右は庫裡にあるはねず踊り人形。

随心院基本情報

寺 名随心院または随心院門跡
拝観時間午前9時~午後5時(受付終了は午後4時半)
拝観料500円 ※境内は無料
宗 派真言宗
御本尊如意輪観音
アクセス◆京都市営地下鉄 東西線「小野」駅 徒歩5分
◆市バス「随心院」徒歩3分
駐車場・駐輪場有り / 無料

随心院の歴史

随心院薬医門

かつてこの地には991年に仁海(にんかい)によって開かれた曼荼羅寺というお寺がありました。

随心院は第5世増俊(ぞうしゅん)の時、曼荼羅寺の塔頭(たっちゅう)として建立されました。

第7世親厳(しんごん)の時、1229年後堀河天皇より門跡を賜り随心院は門跡寺院となりました。


七堂伽藍を備えた寺でしたが、伽藍は承久の乱・応仁の乱にて焼失。

現在の建物はほとんどが江戸時代再建のものになります。

その多くは随心院と関係がある二条家・九条家寄進の建物で、総門・庫裡は二条家より移築。薬医門・大玄関・表書院・能の間は九条家より寄進されたものです。


小野小町

小野小町

随心院がある小野の地は古くは小野郷といい小野氏が栄えたところとされています。

この地に住んでいたとされる小野小町は絶世の美女と伝えられる平安時代の女流歌人。

六歌仙や三十六歌仙にも名前が上がる教養もある女性で、実在した人物ではあるものの詳しいことはほとんどわかっていません。


秋田県で生まれたという説が有力で出羽の国司小野良実の娘とされており、小野篁(たかむら)の孫ともいわれ、「三筆」の一人で書家として知られる小野道風は従兄弟(いとこ)にあたります。


平安時代初期の仁明天皇のときに高い地位の方の着替えを手伝う「更衣」として仕え、仁明天皇が崩御された後30歳を過ぎた頃小町は宮仕えを辞め父の宅地であった小野の地で余生を送ったとされています。


現在の随心院境内にも小野小町邸宅跡とされる化粧(けわい)の井戸が残ります。


しかしこの地に永住したわけではなくその後のゆくえは詳しくはわかっていません。

小野小町も展示された三十六歌仙絵をテーマにした京都国立博物館の展覧会はこちらからどうぞ↓
小野小町・紀貫之など三十六歌仙絵が京都に集合。【佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美】

深草少将百夜通いの伝説

小町に好意を寄せる深草に住む少将が、小町から100日間毎日通い続けることができたら結婚を受け入れると言われ99日通った最後の夜、降る雪と発病により少将は亡くなったという伝説があります。


小町の元へ通った証は榧(かや)の実を1つ置いていき、その実を使って回数を数えました。


百夜通いの道は昔は守られていたようですが、今では跡形もないようです。

深草少将の邸宅跡とされている場所には曹洞宗の開祖道元が開いたと伝えられる欣浄寺(ごんじょうじ)というお寺が建っており「伏見大仏」として知られる丈六の大仏があります。

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当時の道は無くなってしまったのでわかりませんが、歩けない距離でもなさそうです。

化粧の井戸・小町文塚

写真左は随心院境内にある小野小町邸宅跡とされる化粧の井戸。小町はこの井戸の水を使って朝夕の化粧をこしらえたと伝わります。


写真右は本堂の裏にある当時の貴公子たちから小野小町に寄せられた恋文を埋めたという文塚。

拝観内容

随心院境内図

写真 : 随心院リーフレット

築地塀で囲まれたエリアの中は有料になります。


参拝者は庫裡から建物内へ入り襖絵や仏像、庭園などを鑑賞できます。

襖絵(一部除く)と仏像は撮影禁止になっています。

大玄関・表書院・能の間

◆大玄関

随心院大玄関

庫裡から廊下を進むとまず大玄関に出ます。外からは薬医門越しに見ることができる建物が大玄関です。

薬医門・大玄関・表書院はいづれも江戸時代の寛永年間(1624〜1631年)の建築で、九条家出身の天真院尼の寄進。

大玄関の天井は最も高い格式とされる格天井、左側には小玄関と右側に使者の間があります。

随心院大玄関内部

大玄関には3月ということもあり雛人形が飾られていました。

大玄関・表書院・能の間には狩野派の絵師によるいろいろなモチーフの杉戸絵が綺麗に残っています。


室内はかなり暗いので杉戸絵の写真が撮りたい場合は暗所に強いカメラを持参することをおすすめします。

◆表書院

門跡が使者と対面された部屋で、襖絵は狩野永納を中心とした画家によって描かれた金碧障壁画が残っています。※襖絵は写真撮影禁止です。

襖絵「花鳥山水の図」

大きな松を中心に四季の花と鳥が緻密な描写で華やかに描かれています。

襖絵「四愛の図」

中国の著名な文人と愛した植物がそれぞれ一緒に描かれています。

●陶淵明(とうえんめい)・菊
●黄山谷(こうさんこく)・蘭
●周茂叔(しゅうもしゅく)・蓮
●林和靖(りんなせい)・梅

◆能の間

随心院能の間

畳を上げると能舞台になるという能の間。かつては門跡方がここで楽しんでいたようです。

江戸時代の宝暦年間(1751〜1764年)九条家より寄進されたもので、平成3年(1991年)に改修されました。

襖絵は2009年だるま商店製作による極彩色梅匂(うめいろ)小町絵図。

小町の一生を描いた絵で生誕から晩年まで鮮やかな色で描かれています。


左から生誕の図(秋田での暮らし)・饗宴の図(宮仕えの様子)・伝承の図(小野での暮らし)・夢幻の図(諸国を放浪)の4つの部分で構成されています。

こちらの襖絵のみ撮影可能です。

襖の後ろの仏間にはたくさんの男性からもらった恋文を下張りとした小町自作と伝わる文張地蔵尊像、小町の晩年の姿を写したとされる源信(恵心僧都)作とされる卒塔婆(そとば)小町座像などがあります。※仏像は写真撮影禁止です。

本堂

随心院本堂

安土桃山時代の1599年再建、寝殿造。

本堂では小野梅園の無料公開期間に合わせて御本尊の秘仏、如意輪観世音菩薩座像が公開されています。

【本尊公開期間】2021年3月8日(月)〜31日(水)

仏像の写真撮影は禁止されていますので随心院内に掲示してあったポスターを撮らせてもらいました。

随心院の仏像

写真中央 / 【重文】秘仏・本尊 如意輪観世音菩薩座像 鎌倉時代

観音像の一つでなんでも願いを叶えてくれる玉、如意宝珠(にょいほうじゅ)を手にもち別の手に法輪も持っているため如意輪観音という名前になりました。

写真右 / 【重文】金剛薩埵(こんごうさった)座像 快慶作 鎌倉時代 

大日如来の声を聞く通訳者で、大日如来と衆生とを繋ぐ菩薩とされています。運慶と並ぶ仏師快慶の作として知られています。

写真左 / 【重文】阿弥陀如来座像 伝定朝作 平安時代 

平安時代の仏師定朝作と伝わる像で、平等院の阿弥陀如来の縮小像として製作されたと考えられています。

その他ずらりと並ぶ仏像はかつて曼荼羅寺から引き継いだ時、当時の寺から伝わった仏像たちです。

奥書院

随心院奥書院

江戸時代初期の建造。

それぞれの部屋に襖絵「舞楽の図」・「節会響宴の図」・「賢聖の障子」・「虎の図」が描かれています。※襖絵は写真撮影禁止です。

襖絵は狩野派の筆によるもので「虎の図」は隣の部屋の「賢聖の障子」に合わせて縁がつけられています。


「賢聖の障子」は中国のいろいろな時代の賢人たちを集めた絵、京都御所の紫宸殿にも同じような絵があります。

奥書院を抜けて拝観場所の最後となる部屋には、深草少将百夜通いの伝説で登場する榧の実や、877年小野小町井戸にて一身上人が雨を祈った時の本尊石などが展示されています。

随心院の御朱印

随心院の御朱印は庫裡入ってすぐの御朱印受付にて先に御朱印帳を預け、後で受け取るスタイルです。

通常の御朱印

随心院の御朱印

曼荼羅殿 300円

直書き・書き置き

京都十三仏の御朱印

随心院の御朱印

阿閦如来(あしゅくにょらい) 300円

直書き

書き置きがあるかはいただいたことがないのでわかりません。

限定御朱印

随心院では季節ごとに限定御朱印を出されていますが、そのほとんどは書き置きになっています。


2021年の春は百人一首に選ばれている小野小町の和歌を御朱印帳2ページ文を使って直接書いてもらえます。

2021年春限定 小町和歌

随心院の限定御朱印

見開き(2ページ分) 1000円 直書きのみ

和歌の文字
「花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」

【授与期間】2021年3月8日(月)〜31日(水)

随心院の御朱印帳

随心院の御朱印帳

小野小町の絵が入ったものと花柄の、小さいサイズの御朱印帳が2種類あります。

2021年の3月末頃にはだるま商店による襖絵、極彩色梅匂小町絵図の新しい御朱印帳が発売されたようです。

随心院

住所 : 〒607-8257 京都市山科区小野御霊町35
電話 : 075-571-0025