【京都最大級の仏像】写真OKの御室大仏。転法輪寺の特別拝観と御朱印

転法輪寺阿弥陀如来

京都市右京区御室(おむろ)にある世界遺産仁和寺。その仁和寺東側の道を北に進んで行くと転法輪寺(てんぽうりんじ)というお寺があります。

転法輪寺の本尊は高さ約7.5mの巨大な阿弥陀如来の坐像。そして京都でもまだまだ知られていない巨大な仏像は、写真撮影が可能です。

京都のほとんどのお寺で仏像写真は禁止されているので、写真撮影ができることはとても珍しいことです。

ただし転法輪寺は通常非公開のお寺。特別拝観が行われる時しか建物内を拝観することができません。

これまでも「京の冬の旅」などのイベントで特別公開されることはありました。2022年10月には毎年行われている浄土宗寺院のイベント、「京都浄土宗寺院特別大公開」で特別公開されました。


これからも特別公開されることはあると思うので、まだ知らない人のために2022年10月の「京都浄土宗寺院特別大公開」で公開された時の様子をまとめました。


京都でもめったに見れない巨大な仏像を自分のカメラで撮影してみたい、または自分の目で見てみたい方は是非一度転法輪寺を訪れてみてください。

※お寺では難しい方の轉(てん)を用いて轉法輪寺と表記されていますが、この記事では簡単な方の転(てん)を用いて転法輪寺と表記しています。どちらも読み方は同じ「てんぽうりんじ」です。

「京都浄土宗寺院特別大公開」転法輪寺基本情報

寺 名獅子吼山 転法輪寺(てんぽうりんじ)または法輪寺
公開期間2022年10月15日(土)〜30日(日) ※予定変更あり
拝観時間午前10時~午後4時
拝観料おこころもち(賽銭箱へ)
拝観場所本堂・御室大仏など
宗 派浄土宗
御本尊阿弥陀如来
アクセスバス : 京都市バス26系統「御室仁和寺」下車 徒歩10分
駐車場・駐輪場なし(自転車数台くらいならスペースあり)

今回は2022年10月の「京都浄土宗寺院特別大公開」期間中の訪問なので拝観料がおこころもちとなっています。


他のイベントで転法輪寺が特別公開される場合は決められた拝観料が必要となります。

2023年京都浄土宗寺院特別大公開の情報

昨年に引き続き2023年も「令和五年度第八回京都浄土宗寺院特別大公開」で、通常非公開の転法輪寺が特別公開されます。


以下は2013年転法輪寺特別公開の詳細です。

転法輪寺
【公開期間】2023年10月20日(金)〜11月12日(日)

【公開時間】午前10時から午後4時
【拝観料】300円 ※転法輪寺公式ホームページにはお心もちとなっています。
【御朱印】あり

転法輪寺の歴史

転法輪寺は江戸時代の1758年、関通(かんつう)上人によって北野下(しも)の森の地に念仏道場として創建されました。

本尊である阿弥陀如来もこの頃造られたものとされています。


大正時代になり隆盛した北野転法輪寺は、当時町中にあった北野の地からさらに阿弥陀如来にふさわしい西方の地を求めて移転します。

そして昭和時代の1928年、現在地の御室へと移りました。

開祖である関通上人から通称「関通さん」とも呼ばれる浄土宗のお寺です。

転法輪寺の境内

転法輪寺は狭い境内に鐘楼門・本堂・庭園などがあります。入れる建物は本堂のみなので見学する時間は短時間です。

鐘楼門

転法輪寺鐘楼門

転法輪寺の南門は鐘楼と楼門が一体となった鐘楼門。

通常は上がることができません。今回の特別公開でも上がれませんでした。

ですが大晦日の除夜の鐘は2階に上がって一般の参拝者も撞くことができます。


上には江戸時代に鋳造された高さ約2m、重さ約4tの大梵鐘が吊られています。

本堂

転法輪寺本堂

昭和初期に建てられた本堂

転法輪寺で入れる建物はこの本堂のみです。

写真撮影OKの本堂内

転法輪寺写真撮影OK

転法輪寺は本堂内も含め全て写真撮影がOKです。snsアップも可能。

ただし許可なく人物を撮影することはNG。人物の写っている写真をsnsにアップするのもNGです。

本堂内は暗いので高感度に強いカメラでの撮影がおすすめです。本堂内の写真はISO1600以上で撮影しています。

本尊・阿弥陀如来

転法輪寺阿弥陀如来

仏像も写真撮影OKです。

本尊の阿弥陀如来坐像は像高約7.5mの巨大な仏像。「御室大仏」とも呼ばれます。

江戸時代に桜町天皇追福のために造られたものと伝わる京都最大級の仏像です。

「京都最大」とは言い切らずに「京都最大級」と言われるともっと大きな仏像が他にあるの?と疑問に思うかもしれません。


おそらく坐像(座っている仏像)では転法輪寺の御室大仏が京都で一番大きいと思います。


しかし立像(立っている仏像)であれば御室大仏の大きさを上回る仏像が京都泉涌寺の塔頭戒光寺にあります。その仏像は台座から光背まで入れると約10mの釈迦如来立像。


御室大仏よりさらに大きい釈迦如来立像について興味がある方はこちらのリンクからどうぞ↓
【京都仏像の穴場】世界最大10mの釈迦如来立像 戒光寺特別拝観と御朱印


ちなみにこちらの釈迦如来立像は写真撮影できません。

転法輪寺阿弥陀如来

下から見上げて写真を撮ると迫力が出ます。本尊の右側は近くまで寄れるスペースがあったので接近して撮影することができました。


阿弥陀如来坐像の胎内には桜町天皇直筆の名号(南無阿弥陀仏)や、関通上人の念持仏であった阿弥陀如来像などが納められています。

転法輪寺阿弥陀如来

御室大仏の周りを飾る装飾も豪華で、彩色された光背も鮮やか。仏像の左右にある柱のようなものは他のお寺ではあまり見たことがありません。


両方にかかった衣とひだの模様は、清涼寺(嵯峨釈迦堂)の釈迦如来を感じさせます。

転法輪寺阿弥陀如来光背の鏡

頭の後ろにある光背の中央には天皇私物と伝わる鏡がはめ込まれています。

転法輪寺大木魚

阿弥陀如来坐像の前には縦横1.2m・高さ1mの巨大な木魚。


1本の木材から作られた木魚としては、北海道小樽市の龍徳寺に次いで2番目に大きい木魚だそうです。

その他の寺宝

転法輪寺釈迦如来

本尊・阿弥陀如来坐像の対面には小さな釈迦如来立像が置かれていました。


また本尊の背後には日本に5体しかない裸形の阿弥陀如来立像などもあります。今回は残念ながら展覧会に出品中で見ることができませんでした。

転法輪寺ガイコツ掛け軸

本尊の右には御朱印にもなっているガイコツの掛け軸が二幅。

転法輪寺二河白道掛け軸

本尊の左には浄土宗の教え、阿弥陀如来の念仏の教えを表した「ニ河白道」の軸も展示されていました。


この他にも幅約4m、高さ約5mの江戸時代に描かれた釈迦大涅槃図もありますが今回は見ることができませんでした。

転法輪寺の木魚

転法輪寺には大木魚の他にもデザインの凝った木魚があります。ドクロや花の形の木魚はめったに見ないものではないでしょうか。

庭園

転法輪寺庭園

それほど広くはありませんが庭園があり花々が植えられ、本堂前は白砂に模様が描かれています。

訪れたのが10月だったので庭には杜鵑草(ホトトギス)と秋明菊が咲いていました。

桜シーズンの転法輪寺

転法輪寺の桜

写真は桜シーズンの轉法輪寺西門と本堂。今回は10月の訪問でしたが春の様子もお伝えします。


その理由は春には多くの人が仁和寺の御室桜を見に来るから。仁和寺から少し足を伸ばせば転法輪寺です。


本堂へは特別公開の時しか上がれませんが、転法輪寺の境内はいつでも入ることができます。

もちろん仁和寺には敵いませんが、転法輪寺境内にも少しですが桜の木があります。

転法輪寺周辺の桜

転法輪寺周辺は桜並木が続いています。桜の季節にはいつか特別公開に行く時のために近くの仁和寺からゆっくり歩いて下見に行ってみてはいかがでしょうか。

転法輪寺の御朱印

転法輪寺の御朱印

転法輪寺の御朱印は全部で5種類。1枚300円全て書き置きのものです。

2019年の「京の冬の旅」で特別公開された時の御朱印とはデザインが異なります。


鐘楼門を入って右側の庫裡玄関でいただくことができます。

転法輪寺の御朱印

御室大仏 書き置き

今回は本尊の御室大仏の御朱印のみをいただきました。

転法輪寺

住所 : 〒616-8007 京都府京都市右京区龍安寺山田町2番地
電話 : 075-464-2668