【京都】金臺寺秋の特別拝観と御朱印情報 【赤鬼の公開記念御朱印あり】

金臺寺かっぱの置物

2019年11月1日(金)第55回京都非公開文化財特別公開にて特別公開されている金臺寺(こんたいじ)を訪れました。


毎年春と秋に京都古文化保存協会が行うこの特別公開事業は文化財の維持管理が目的のため、基本的に写真撮影はできません。


今回の特別公開はすでに終わってしまいましたが、次回また特別公開があるかもしれないので内容を記録しておきます。


情報は第55回京都非公開文化財特別公開の公開内容です。

第55回 京都非公開文化財特別公開 金臺寺基本情報

公開場所金臺寺(こんたいじ) 初公開
公開期間2019年11月1日(金) ~ 11月10日(日)
時 間午前9時~午後4時(拝観受付)
拝観料大人800円、中高生400円
公開内容本堂・客殿
御本尊 釈迦如来像
狩野永岳筆襖絵
白隠慧鶴筆「法具変妖之図」 等
宗 派禅宗・臨済宗
御本尊釈迦如来
アクセス京福電車等持院駅北に上がる徒歩3分
駐車場・駐輪場なし

金臺寺拝観レポート

金臺寺は臨済宗妙心寺の門外塔頭で場所や名前を度々変更しておりお寺の歴史ははっきりしていないそうです。


説明してくれたスタッフの方のお話によると金臺寺自体の歴史は妙心寺より古く、のちの時代に妙心寺の塔頭となったのだとか。

今回の特別公開で拝観できたのは3箇所

①客殿 1部屋目 

②客殿 2部屋目

③客殿と繫った建物の2階

最初の拝観場所、客殿には狩野永岳筆の襖絵がありましたが落款はなく作風から推定しているそうです。


3部屋がつながっており水墨画で花鳥(左)・人物(中)・山水(右)がそれぞれ描かれ、中央の仏間には本尊の釈迦如来像が安置されていました。その上に掛けられていた金臺寺の以前の名前、「鳳台院」の書がどっしりとした力強い文字で印象的でした。

狩野永岳筆の襖絵

写真:京都古文化保存協会「拝観の手引」

金臺寺の建物は本堂と庫裏が一体型の珍しい造りで、もとは妙心寺塔頭の隣華院(りんかいん)のものを移築されたものだそうです。拝観最後の建物2階から屋根が見れるので一体なのがわかります。

門を入ってすぐ見上げれば大きな鬼瓦と煙出し、飾りのついた屋根が見えます。屋根周りの重厚な造りは塔頭寺院らしからぬ迫力がありました。

金臺寺屋根

特別公開のメインは白隠筆「法具変妖之図」

白隠筆法具変妖之図

写真:朝日新聞別刷り特集

金臺寺今回の特別公開で一番の見所は臨済宗中興の祖とされる江戸時代の僧、白隠慧鶴(はくいんえかく)が描いた「法具変妖之図」です。


いろいろな法具が化け物の姿になったものですが白隠の画風からか怖さやおどろおどろしさはなくユーモラスで可愛らしかったです。あまり外に出したことがないのか保存状態がよく彩色が綺麗に残っていました。


京都真珠庵の室町時代の「百鬼夜行絵巻」から題材をとったとさられるこの作品は特に絵の最後の部分、赤鬼と唐櫃(からびつ)の中に小鬼が入っている部分が特にそっくりでした。興味のある方は一度見比べてみるのもいいかもしれません。

この本に法具変妖之図が大きく掲載されています。

事前情報にはなかった見所

ここからは公式情報や事前情報に出ていなかった内容です。


本堂の南側には素朴な石組みを中心とした庭がありその東側の池には大きな鯉がゆったりと泳いでいました。この庭は最後の拝観場所となる建物の2階から眺めることができ1階から見た時とまた違った庭の景色を楽しむことができます。

水墨画の「蘭亭曲水図」と極彩色の桐に鳳凰図

客殿の2部屋目にも狩野永岳筆の襖絵があり、そこには水墨画で一部屋を囲むように「蘭亭曲水図」が描かれていました。


「蘭亭曲水図」は中国の書聖、王羲之(おうぎし)が仲間を別荘の蘭亭(らんてい)に招き川上から酒の入った杯を流し、自分の所に来るまでに詩を作れなければその酒を飲み干すという風流な遊びを描いたもの。よくある画題なのですが普段はあまり描かれることのない子供が数人描かれていました。


この部屋のもっとも大きな面積を占めている部分にはもともと山が描かれていたようですが残念ながら失われており見ることができませんでした。


また収納棚のようなものの扉の部分に一箇所だけ極彩色で桐に鳳凰図が描かれており、水墨画だけの部屋の中でひときわ目を引きます。明らかにここだけ目立つので最初からここにあったものなのか疑問に思いました。


この後の拝観場所である建物2階にもその部分だけ古そうな菊の紋が入った棚の扉と菊の紋入りの木の飾り瓦のようなものが展示されていました。

大きな大正ガラス

本堂東側の廊下は珍しく大きな大正ガラスが使われており、波打つガラス越しに見る池の鯉はしばし穏やかな気分にさせてくれました。


記憶が確かではないのですが廊下の窓が全面が大正ガラス張りなのはかなり贅沢なことではないでしょうか。

金臺寺の御朱印

御朱印は先に御朱印帳を預けて番号札をもらい拝観後に受け取るスタイルでした。公開記念の御朱印(書き置きのみ)は先に渡してくれます。

御朱印は2種類

直書き御朱印

金臺寺御朱印

御本尊 釈迦如来の御朱印 500円

御朱印帳に書いてもらうことができます。

こちらの御朱印は公開していない時でも書いていただくことができます。通常は令和元年の部分が令和記念のスタンプに変わっています。

書き置き御朱印

特別公開御朱印

特別公開記念御朱印 500円 書き置きのみ

御朱印帳に書いてもらうことはできません。

今回公開の「法具変妖之図」赤鬼の部分がはんこになっています。
珍しい扇型で今回限りの御朱印のようです。