世界遺産醍醐寺より凄かった!?京都山科安祥寺、秋の特別公開と御朱印

安祥寺の紅葉

2019年11月21日(木)天皇陛下御即位記念として開催されている、京都山科非公開文化財等の特別公開にて特別公開中の安祥寺(あんしょうじ)を訪れました。


京都市山科区にある安祥寺は2019年の春に京都非公開文化財特別公開にて初公開となり、この秋再び特別公開されています。今回は春の公開とは違い、各お堂での説明などはないのですがかわりにパンフレットが制作されていました。


前回同様各お堂の中は全て撮影禁止、境内は撮影可能です。ちょうど紅葉シーズンで境内の紅葉も色づいていました。

京都山科非公開文化財等の特別公開 安祥寺基本情報

公開場所吉祥山 安祥寺(あんしょうじ)
公開期間2019年11月16日(土) ~ 12月1日(日)の16日間
拝観時間午前9時~午後4時30分(午後4時受付終了)
拝観料500円
公開内容観音堂 十一面観音立像・四天王立像
地蔵堂(外から拝観) 地蔵菩薩坐像
大師堂(外から拝観) 弘法大師像・恵運僧都坐像など
多宝塔跡
鐘楼堂
宗 派真言宗
御本尊十一面観音
アクセスJR「山科駅」または地下鉄東西線 「山科駅」下車徒歩約10分
駐車場・駐輪場なし

安祥寺の歴史【醍醐寺と同じような伽藍、上寺と下寺】

安祥寺の創建は平安時代の848年、空海の孫弟子恵運(えうん)を開基に仁明天皇の皇后・藤原順子(ふじわらののぶこ)の発願により建立されました。

創建当初安祥寺は山の上寺と甍の下寺に分かれていました。

現在も世界遺産として現存している醍醐寺(だいごじ)のような伽藍、上醍醐と下醍醐のようなイメージです。醍醐寺の創建が874年とされるので、その26年前に安祥寺は創建されています。


安祥寺上寺と下寺どちらも大伽藍で塔頭坊舎が700近く建ち、寺格も高く僧侶養成の国家的機関の役割も担っていました。


しかし応仁・文明の乱で上・下両寺ともに灰燼と化し、

下寺は江戸時代に再興されましたが上寺は再建されませんでした。

江戸時代に再興されたものがほぼ現在の安祥寺となっています。

安祥寺上寺の復元想像図

安祥寺上寺の復元想像図

地下鉄東西線山科駅、コンコース階の連絡通路に山科駅周辺の遺跡の紹介があります。

その中に失われた安祥寺上寺の復元想像図のイラストがあります。

山上にある伽藍の最も大きな建物、礼仏堂の本尊が国宝に指定された五智如来坐像だと考えられています。

上寺がなくなった後、五智如来坐像は下寺の多宝塔に安置されます。


また後ほど紹介する現在は東寺塔頭観智院にある五大虚空蔵菩薩像も安祥寺上寺にあったとされています。

安祥寺上寺跡と下寺

安祥寺下寺と上寺の位置関係です。下の赤枠が現在の安祥寺下寺、上の赤枠が安祥寺上寺跡。

※安祥寺にこれらのイラストはありません。

安祥寺拝観レポート

特別公開で主に拝観できるのは観音堂、地蔵堂、大師堂の3箇所です。

安祥寺境内図

安祥寺境内図

写真 : 安祥寺リーフレット

観音堂

安祥寺観音堂

今回の拝観で唯一堂内へ入ることができる観音堂内には本尊の十一面観音立像と四天王立像が安置されています。

安祥寺の本尊、十一面観音立像

写真 : 安祥寺ポストカード

奈良時代に作られたとされる十一面観音立像。重要文化財に指定されています。


榧木(かやのき)の一木造りで高さ約3m、光背が天井につきそうなぐらいの巨像です。

安祥寺の創建以前に作られたもので、いつ安祥寺に伝来したのかわかっていません。

大寺院の本尊クラスの立派な十一面観音なので同じ山科にかつてあった奈良興福寺の前身、山階寺(やましなでら)から移されたものではないかという説もあります。


安祥寺の十一面観音は顔にハリがあり、体も量感があってどっしりとしています。十一面観音といえばどちらかというと女性的な像が多いですが安祥寺の十一面観音は男性的。


照明に照らされた体が黒く光っており、より重厚感が増して見えます。


京都でこれほど巨大な十一面観音が見れるお寺は安祥寺意外ほぼないと思います。

四天王立像

十一面観音像の両脇には平安時代に作られたとされる四天王像(増長天は江戸時代)が安置されています。


安祥寺の四天王像はぎょろっとした目が特徴的な像で、増長天だけ他の像と顔のつくりが明らかに違い別で造られたことがわかります。

地蔵堂

安祥寺地蔵堂

地蔵堂の天井は格子状に組まれた中に木蓮や紅葉、柿などのたくさんの花々が描かれており少し白っぽくなってはいるものの、華やかな天井となっていました。

安祥寺地蔵菩薩坐像

地蔵菩薩坐像

鎌倉時代

寺伝では恵運が中国より請来したものだそうです。


こちらの像もしっかりとしたつくりで存在感があります。
後の時代に補修したものかもしれませんがハスの形をした台座の緑が綺麗に残っています。

写真 : 安祥寺ポストカード

安祥寺の仏像も掲載されている京都の仏像ガイドブック。この一冊で京都で見るべき仏像のほとんどがまとめられています。次の京都旅行でどこへ行けばいいか迷っている人におすすめの一冊です。

大師堂

安祥寺大師堂

弘法大師を祀るお堂で中央の建物のようなものの中に弘法大師像、その左側に興雅僧正像・恵運僧都像、右側に宗意律師像・宥快法印像が安置されていました。

五智如来を安置していた多宝塔跡など

その他にも焼失した多宝塔跡や弁天社、青龍社、鐘楼堂などを見ることができます。

安祥寺五智如来

五智如来の写真 : 安祥寺パンフレット

多宝塔は明治39年に焼失。

本尊であった五智如来はそれ以前に京都国立博物館に寄託されていたため、

五体揃っている最古の五智如来像として現在まで伝わっています。2019年(令和元年)国宝に指定されました。

※現在も京都国立博物館にあるため、安祥寺では五智如来坐像を見ることはできません。

安祥寺の御朱印

御朱印は門を入ってすぐ右側の事務所にて頂くことができます。
平日に訪れたこともあってか待ち時間、行列はなくすぐに書いてもらうことができました。


今回限定の蒔絵御朱印帳(小さいサイズ)の見本がありましたが、11月21日(木)の時点ですでに完売となっていました。


その他十一面観音の色紙、絵葉書8枚セット、クリアファイル、しおり、お守り、お札など数種類の授与品がありました。

通常御朱印

安祥寺の御朱印は2種類、各300円でどちらも御朱印帳に書いてもらえます。

(左)十一面観音           (右)五智如来 

幻の御朱印が復活?五智如来梵字の御朱印

ここからは再訪問して新たにいただけるようになった安祥寺の御朱印を紹介します。

安祥寺の御朱印

2019年 五智如来梵字御朱印 300円

こちらの御朱印は2019年春に安祥寺が初公開された時にいただいたもの。五智如来が梵字で書かれています。


確か御朱印見本にはなかったので知る人ぞ知る御朱印でした。私もSNSで発見し、書いてもらえることを知りました。

安祥寺の御朱印

 2022年 五智如来梵字御朱印 400円

2022年春の特別公開でいただいた五智如来梵字の御朱印。こちらは梵字が朱色。この御朱印も御朱印帳に書いてもらえます。


2019年から2022年の間に安祥寺は何度か公開されているので、どの段階で墨書きから朱色に変わったのかはわかりません。


この御朱印は御朱印見本に出ていたので知らずにもらえないということはなくなりました。

安祥寺の御朱印帳

2019年初公開の時出されていた小さいサイズの蒔絵御朱印帳ははやくに完売しました。


ここで紹介する安祥寺オリジナル御朱印帳はその後2022年春に訪れた時にいただいたものです。

安祥寺の御朱印帳

えんじ色・朱色の2色 各2,000円

大きいサイズの御朱印帳。写真は2色あるうちのえんじ色の方で、安祥寺の本尊十一面観音が金で箔押しされたシンプルな御朱印帳です。写真ではくすんでいる部分が金で、実物はキラキラしています。


中の紙はおそらく鳥の子紙のようで質は良さそうです。御朱印はあらかじめ記入されておらず、御朱印代は別でした。


御朱印帳の小さいサイズ・大きいサイズや紙質について詳しく知りたい方はこちらの記事からどうぞ↓
京都の御朱印帳はどこで買うのがいいのか【おすすめの5つのお寺を紹介】

安祥寺の特別公開

安祥寺は通常非公開のお寺です。特別公開の時しか入れません。

2019年4月26日(金) ~ 5月10日(金) 春期 京都非公開文化財特別公開にて初公されました。


近年は公開される頻度が増えています。それによって境内もきれいになり拝観しやすくなりました。

直近の特別公開は2022年秋の特別拝観。

詳しい日時は公式ホームページをご覧ください。

安祥寺についてさらに詳しく知りたい方はこちらの本がおすすめです。

安祥寺 [ 通常非公開 ]

住所 : 〒607-8406 京都府京都市山科区御陵平林町22
電話 : 075-581-0853

安祥寺の外で見れる寺宝

ここからは安祥寺では見ることができませんが、寺の外で見れる安祥寺の仏像を紹介します。


どちらも元は安祥寺にあったもので、とても魅力的な仏像なので是非一度足を運んでみてください。

以下で紹介する仏像は安祥寺では見れません。

【国宝】五智如来坐像

見れる場所 ▶︎ 京都国立博物館 地図

京都国立博物館

五智如来坐像は京都国立博物館に寄託されています。

安祥寺上下伽藍の中心であった上寺の礼仏堂に祀られていたとされる仏像(※諸説あり)で、

平安時代につくられた国内最古の五智如来像です。

江戸時代以降は下寺の多宝塔内に安置されていましたが明治以来、京都国立博物館へ寄託されました。


上に掲載した写真からはわかりづらいですが五体とも大きな像で、実際に京都国立博物館での展示を見たことがあるのですが横に5体並んだ姿は壮観です。


体がたっぷりとしていて、顔が体に対して少し大きな感じがしますが穏やかで優しい感じがする仏像です。念のため展示の確認をしてから行くのがよいかと思います。

【重要文化財】五大虚空蔵菩薩像

見れる場所 ▶︎ 東寺塔頭 観智院 地図

東寺塔頭観智院

観智院は東寺の北大門を出て直進した東側に入口があります。

本尊の五大虚空蔵菩薩像は、もと安祥寺上寺にあったもの。

東寺の僧・賢宝(げんぼう)が上寺を参詣した際、廃絶した堂宇の中に見つけ東寺に引き取り修理の後観智院に安置したそうです。

東寺観智院五大虚空蔵菩薩像

写真 : 観智院パンフレット