天台宗は伝教大師最澄によって日本に伝えられた宗派で、総本山は比叡山延暦寺です。
京都に数あるお寺の中でも代々天皇や貴族などが住職を務めたお寺を門跡と呼び、天台宗の中でも特に格式の高い門跡寺院に天台宗五門跡(京都五箇室門跡)があります。
三千院・青蓮院・妙法院を天台宗三門跡。これに曼殊院と毘沙門堂を加えて天台宗五門跡とされています。
それぞれのお寺に門跡寺院らしい特色があり、初めての方はどこから行くか迷うこともあると思います。旅のガイドになるように各お寺でいただける御朱印と、ちょっとした観光の特徴をお伝えします。
◆御朱印帳に書いてもらえる御朱印のみ掲載しています。
◆御朱印の内容はいただいた当時のものです。現在では変更されている可能性があります。
※コロナ禍の曼殊院御朱印のみ書き置きを掲載しています。
天台宗総本山の比叡山延暦寺の御朱印について知りたい方は下記のリンクからどうぞ↓
【御朱印まとめ】京都・滋賀の世界遺産 比叡山延暦寺の御朱印巡り
[ もくじ ]
天台宗五門跡の位置関係
天台宗五門跡の中で京都駅から最も近いのは妙法院です。
ですが妙法院は通常非公開のお寺で、いつ行っても拝観できるお寺ではありません。
しかも2026年12月(予定)まで国宝の庫裡は修復工事に入っており外観も見れません。
なので妙法院の庫裡が特別公開されることはしばらくないと思います。
しかし御朱印はいつでもいただくことができるので、妙法院の御朱印が欲しい方は同じ東山区にある青蓮院と一緒に行くのがおすすめです。
逆に京都駅から最も遠いのは三千院。
京都駅から電車とバスで、または京都駅からバスを約1時間乗車で到着する三千院は都会にあるお寺とは違ったゆったりとした空気が流れています。
のんびりしたい方や人混みを避けゆっくりとしたい方はこちらがおすすめです。
三千院はちょっと遠いな…という方は同じような雰囲気のある曼殊院、いろいろな御朱印が欲しい方は毘沙門堂から行ってみるのがいいかと思います。
御朱印の種類が最も多いのは三千院で5種類(御詠歌を含めると7種類)、書き置き御朱印も含めると毘沙門堂の方が多くなります。
効率よく回りたい場合はレンタカーの利用が便利です。
▶︎京都駅周辺のレンタカー利用はこちら三千院の御朱印 (京都市左京区)
三千院でいただける御朱印は「薬師如来」・「弥陀三尊」・「金色不動尊」・「弁財天」・「聖観音」の5種類です。
三千院の御朱印は各お堂を回りそこで御朱印を書いてもらうスタイルです。
三千院で御朱印がいただける所は3箇所あります。
①金色不動堂 ②観音堂 ③売店の御朱印所
①金色不動堂
ここでは「金色不動尊」と「弁財天」の2種類の御朱印とがいただけます。
御朱印1 : 近畿三十六不動霊場 第十六番の御朱印とご詠歌
(左)ご詠歌 300円 (右)御朱印 : 金色不動尊 300円
ご詠歌
「大原の 里と聞きつつ 訪ね入れば また道ながら 袖しぼりけり」
御朱印2 :弁財天
300円
②観音堂
ここでは「聖観音」の御朱印ががいただけます。
御朱印3 : 聖観音
300円
コロナ禍の御朱印対応
コロナ禍の現在「聖観音」の御朱印は観音堂ではなく、金色不動堂でいただくことができます。
③売店の御朱印所
ここでは「薬師如来」と「弥陀三尊」の2種類の御朱印とがいただけます。
この2つに加えて「金色不動尊」・「弁財天」・「聖観音」の御朱印も書いてもらうことができます。
拝観できる最後の場所にあるためここですべての御朱印をいただくのもありかと思います。
御朱印4 : 西国四十九薬師霊場 第四十五番の御朱印とご詠歌
(左)ご詠歌 300円 (右)御朱印 : 薬師如来 300円
ご詠歌
「懺法の おのづからなる 瑠璃光殿 こえ聞く人は 佛となるぞ」
御朱印5 : 弥陀三尊の御朱印
300円
三千院のちょっとした観光ガイド
大原ののどかな景色の中にある三千院。京都の街中から離れているため1日かけての観光がおすすめです。三千院の周りにも観光できるお寺がいくつかあります。
三千院自体の見所も多く、往生極楽院の阿弥陀三尊像は国宝です。広い境内にはいろいろな花々が咲き、シャクナゲのピンクと苔の緑が美しい春の観光が特におすすめです。
観光客もツアーなどがなければそこまで多くないので、苔が綺麗な庭園をのんびり散歩できます。
曼殊院の御朱印 (京都市左京区)
曼殊院でいただける御朱印は「竹乃内御殿」と「黄不動尊」の2種類です。
曼殊院の御朱印は拝観受付時に御朱印帳を預けて番号をもらい、拝観後に御朱印帳を受け取るスタイルです。
竹乃内御殿
300円
近畿三十六不動霊場 第十七番の御朱印とご詠歌
(左)ご詠歌 300円 (右)御朱印 : 黄不動尊 300円
ご詠歌
「法のため 我がたつそまぎ ひくからに 月もくもらぬ 世を祈るかな」
※近畿三十六不動のご詠歌は2017年頃から書いてもらうことができなくなっています。
コロナ禍の現在は御朱印帳に直接書いてもらうことはできなくなりました。
コロナ禍の御朱印対応
コロナ禍の現在(2022年4月時点)は、御朱印は書き置きのみの対応になっています。
(左)竹乃内御殿 500円〈書き置き〉 (右)黄不動尊 500円〈書き置き〉
曼殊院のちょっとした観光ガイド
曼殊院は2023年、150年ぶりに宸殿が再建されました。宸殿の前庭「盲亀浮木之庭」も新たにつくられています。曼殊院の中心となる建物が完成しました。
曼殊院がある場所は山が近く周りはのどかな風景が広がっています。
紅葉の名所ではありますが秋は観光客が多く混雑することもあります。おすすめなのは春から初夏にかけてです。春から初夏は観光客も少なく空いているので運がよければ貸し切り状態で楽しむことができます。
昔の立派な台所がそのまま残っており、当時の献立の内容や配膳に使われた道具など門跡寺院らしい豪華な道具類なども見ることができます。料理に興味がある人はおもしろいかもしれません。
また寺宝も展示されており美術品を鑑賞できる所もあります。建物の細部の意匠も細かく見ていて楽しいお寺です。
お気に入りの御朱印を、御朱印帳のまま飾れるフレーム。御朱印好きの人は思い出の御朱印をお部屋に飾ってみてはいかがでしょうか。
毘沙門堂の御朱印 (京都市山科区)
毘沙門堂でいただける御朱印は「毘沙門天王」と「不動尊」と「弁財天」の3種類です。
これらの御朱印の他に毘沙門堂にはたくさんの書き置き(貼るタイプ)の御朱印があります。
毘沙門堂の御朱印は拝観受付時に御朱印帳を預けて拝観後に御朱印帳を受け取るスタイルです。
また毘沙門堂は御朱印をいただくだけなら拝観料はかかりません。
デザインと質を兼ね備えた御朱印帳もおすすめです。
毘沙門堂の御朱印帳に興味がある方は下記のリンクからどうぞ↓
京都の御朱印帳はどこで買うのがいいのか【おすすめの5つのお寺を紹介】
毘沙門天王
300円
不動尊
300円
弁財天
300円
コロナ禍の御朱印対応
コロナ禍の現在(2022年4月時点)は、御朱印は毘沙門堂の御朱印帳を持っている方、または購入した方のみ直接御朱印帳に書いてもらえます。
御朱印帳を購入したので数年ぶりに御朱印をいただきました。最初にもらった時よりかなり華やかな御朱印になっていました。
2022年4月時点で直書きしてもらえる毘沙門堂の御朱印は、最初に紹介した「毘沙門天王」・「不動尊」・「弁財天」に加え新たに「吉祥」が増えて4種類になっていました。
毘沙門天王 300円
不動尊 300円
弁財天 300円
吉祥 800円
新たに追加されていた「吉祥」の御朱印は金色の文字のため800円でした。
毘沙門天の奥さんが吉祥天になるそうです。
毘沙門堂のちょっとした観光ガイド
紅葉が有名な毘沙門堂。観光するならやはり秋がおすすめになります。
勅使門がある坂や庭園の紅葉がとても美しいです。毘沙門堂は駅からのアクセスも良いので紅葉のシーズンは混雑を覚悟しておいたほうがいいです。
秋を除けば他の季節はのんびり拝観することができます。
また華やかな御朱印からもわかるように書き置きも含めると毘沙門堂は天台宗五門跡の中で一番御朱印のバリエーションが豊富です。
季節ごとにスタンプが変わるのでリピートして御朱印をいただく方もいるようです。
2022年10月、秘仏本尊毘沙門天ご開帳
2022年の10月の4日間のみ、毘沙門堂門跡の秘仏本尊毘沙門天が特別公開されます。仏像に興味がある方は下記リンクからどうぞ↓
[京都山科]毘沙門堂門跡、2022年10月秘仏本尊ご開帳特別拝観と御朱印
青蓮院の御朱印 (京都市東山区)
青蓮院でいただける御朱印は「熾盛光如来」と「青不動」の2種類です。
青蓮院(しょうれんいん)の御朱印は拝観受付時に御朱印帳を預けて拝観後に御朱印帳を受け取るスタイルです。
熾盛光如来(しじょうこうにょらい)
300円
近畿三十六不動霊場 第十九番の御朱印とご詠歌
(左)ご詠歌 300円 (右)御朱印 : 青不動 300円
ご詠歌
「おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに 墨染めの袖」
青蓮院のちょっとした観光ガイド
青蓮院は清水寺や知恩院などの京都の人気観光エリアの近くにあり、街中にあるので立ち寄りやすいお寺です。
美しく整えられた池のある庭園があり、建物の中から眺めるとほっと一息つけます。また庭におりて散策することもでき建物の中からとはまた違った景色を楽しむことができます。
冬は葉っぱが落ちてしまうのでそれ以外の季節なら緑が美しい庭園が鑑賞できると思います。
妙法院の御朱印 (京都市東山区)
妙法院でいただける御朱印は「普賢尊」のみです。
妙法院は通常非公開寺院です。
内部の拝観は特別公開の期間中のみになりますが、境内は無料でいつでも入れます。
御朱印は庫裏左側の事務所にていつでも受付されています。
ちょっと勇気が必要かもしれませんが扉を開けて声をかけてみてください。
三十三間堂や智積院、京都国立博物館から近いので付近を通った時には妙法院を散策してみるのがおすすめです。
特別公開は年に一度あるかないかの頻度で、中に入れるのはめったにないかと思います。
尚、特別公開の時は庫裏の中で御朱印をされています。
普賢尊
300円
妙法院のちょっとした観光ガイド
妙法院は国宝の庫裏(台所)の建築が素晴らしく建築が好きな人におすすめです。中には宝物館もあり文化財を鑑賞することもできます。
普段はほとんど入ることができないお寺ですが、特別公開の機会に恵まれたらぜひ訪れてみてください。
【五月会】毎年5月14日、1日限り妙法院の無料公開
1年に1度の五月会5月14日のみ無料公開がされています。(写真は2023年の五月会内容)
拝観時間は午前9時〜午後3時30分まで。
※毎年の五月会の開催また拝観時間など詳細については必ずご自身でお確かめください。
国宝妙法院庫裡 令和の大改修
国宝の庫裏は2020年11月中旬より2026年12月(予定)まで修理工事が行われます。
三千院
拝観時間:午前9時〜午後5時(11月 8時30分~午後5時 / 12月~2月 午前9時~午後4時30分)
拝観料:一般700円 / 中学生・高校生400円 / 小学生150円
電話:075-744-2531
曼殊院
拝観時間:午前9時〜午後5時(受付終了午後4時30分)
拝観料:一般600円 / 高校生500円 / 中学生・小学生400円
電話:075-781-5010
毘沙門堂
拝観時間:午前8時30分~午後5時(受付終了 午後4時30分)
冬期:午前8時30分~午後4時30分(受付終了 午後4時) 12/1~3/15の拝観時間
拝観料:一般500円 / 高校生400円 / 中学生・小学生300円
電話:075-581-0328
青蓮院
拝観時間:午前9時〜午後5時(午後4時30分受付終了)
拝観料:一般500円 / 中学生400円 / 小学生200円
電話:075-561-2345
妙法院(通常非公開)
拝観時間:特別公開によって変わります。
拝観料:特別公開によって変わります。
電話:075-561-0467
五月会 5月14日(午前9時~午後3時30分)のみ無料公開
※拝観時間や拝観料は季節や特別公開によって変わります。必ず公式ホームページを参照してください。