円山応挙展 京都国立近代美術館【円山応挙から近代京都画壇へ】

円山応挙から近代京都画壇へ展覧会看板

2019年12月13日(金)円山応挙から近代京都画壇へが開催されている京都国立近代美術館へ行きました。

会期の終盤であるにもかかわらず並ぶことはなかったのですが中では多くの方が観覧されていました。

会期中展示替えがありますので、この記事で紹介するのは後期展示の内容になります。またこの展覧会は東京と京都で開催されており、京都展では出品されない作品があります。

円山応挙から近代京都画壇へ 展覧会概要

展覧会名円山応挙から近代京都画壇へ
会 場京都国立近代美術館
会 期2019年11月2日(土)~12月15日(日)
前期:11月2日(土)~11月24日(日)
後期:11月26日(火)~12月15日(日)

観覧料
(当日)
一 般 1,500円(税込)
大学生 1,100円(税込)
高校生  600円(税込) 
中学生以下は無料
音声ガイド550円(税込)約30分
開館時間午前9時30分~午後5時
金・土曜日は午後8時まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日毎週月曜日、11月5日(火) ※11月4日(月・休)は開館
アクセス地下鉄東西線「東山」駅下車1番出口より徒歩約10分
市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
駐車場

駐輪場
なし

自転車無料駐輪場あり

「写生画の祖」円山応挙

円山応挙(まるやまおうきょ)は享保18年(1733年)丹波国(現在の京都府亀岡市)に農家の次男として生まれました。

特定の流派のルーツを持たず、ほとんど独学で様々な絵画を学び技術を身につけます。

活躍したのは江戸時代中期、これまでのやまと絵や中国画が中心だった日本絵画に対して実物写生を中心とした写生画を打ち出しました。

御用絵師たちが描く理解するのに教養が必要な敷居の高い絵画から、特別な知識教養がなくても見るだけで美しく、そのまま楽しめる応挙の写生画は身近な絵画として商人や町衆などの一般に受け入れられました。

円山応挙は円山派の祖として四条派の呉春とともに多くの門下を輩出し、近代の京都画壇へと続く画家たちに大きな影響を与えました。

展覧会体験レポート

鑑賞した作品の中から円山応挙の作品と、それ以外の画家作品とに分けて気になったものをいくつか紹介します。


今回の展覧会は下記の4つのブロックで構成されています。

・すべては応挙にはじまる。
・孔雀、虎、犬。命を描く。
・美人、仙人物語を紡ぐ。
・山、川、滝。自然を写す。

円山応挙の作品

大乗寺襖絵 「松に孔雀図」

今回の展覧会のメインである大乗寺襖絵は会場入ってすぐの所に展示されています。大乗寺は兵庫県香美町香住にあり、応挙他有名な門人13名が客殿の襖絵を手がけたことから「応挙寺」と呼ばれています。

今回の展示では大乗寺の客殿襖絵空間の一部を再現しており、少しではありますが大乗寺の空間が体験できるようになっています。


この襖絵の展示場所だけ他の作品より照明がとても暗くなっており、おそらくではありますが実際に大乗寺で鑑賞しているのと同じくらいの明るさに設定されているのだと思います。

しかし少ない枚数と光が一切入らない狭い空間で大乗寺の雰囲気を再現するのは少し難しいように感じました。襖絵展示場所の光はかなり暗く金箔の色がにごって見え、チラシなどに掲載されていた明るい感じの襖絵のイメージとかなり違っていました。

特に「松に孔雀図」は金地に孔雀と松を墨一色のみで描いているので襖絵全体がかなり重く見えてしまいました。(記事タイトル下の看板画像のような明るい感じには見えません。)

墨のみではありますが濃淡や細部の描き混みによって松と孔雀の立体感が感じられる作品でした。作品解説には光によって墨の色の変化があると書かれてはいたものの、現場の光では暗すぎて残念ながら墨の微妙な色まで見分けることはできませんでした。


襖絵はガラス越しですが10cmくらいのかなり間近で見ることができます。
また会場には大乗寺の写真パネルなども展示されていました。

写生図巻(甲巻)

写真:求龍堂『円山応挙から近代京都画壇へ』より

木の葉や紅葉した葉、椿やツツジなどの花の色や種類ごとの描き分けた写生図で、兎やネズミなどの動物も少しだけ描かれています。23枚の写生図を貼り込んで巻物に仕立てたものだそうです。

椿やツツジなどの花の部分は切り取って鑑賞できるような美しさで描かれていました。この写生図は普通のスケッチではなく、スケッチを清書したものであるようでどうりで綺麗なわけがわかりました。

23面全て広げて展示してあり応挙作の図鑑を見ているようで眺めているだけでも楽しめます。

応挙の絶筆 「保津川図」

写真:展覧会チラシより

応挙の故郷亀岡から流れる保津川を描いたものされるが根拠はないそうです。
黒々とした岩と水の流れに迫力がある作品でした。大きな作品ですので離れて見るとよりダイナミックに感じられると思います。
この絵は亡くなる一ヶ月前に描いたそうで、とてもそうとは思えない力強さがありました。

応挙以外の作品

国井応文・望月玉泉の合作 「花卉鳥獣図巻」下巻 

花卉鳥獣図巻

写真:求龍堂『円山応挙から近代京都画壇へ』より

円山派の五代目国井応文と、望月派四代目望月玉泉の合作の画巻で10メートルを超える長い作品です。描かれているものに付箋がつけられており名前がわかるようになっています。

花鳥がメインで描かれているのですが最後の方には動物も描かれていました。花と鳥の組み合わせは色鮮やかで美しく、特に山桜に小さい鳥たちを組み合わせてある部分が美しかったです。

上部と下部に金砂子を散らして真ん中部分は空間をあけているので時間や鳥たちが飛ぶ周りの空気の流れのようなものを感じることができました。

全面広げて横に長く展示してあるのでそれぞれの場面ごとに見応えがある絵でした。

名の画家の共演 「魚介尽くし」

魚介尽くし

森寛斎ほか28名の画家たちの合作で、1つの画面に魚介類を描いています。

28人が描いているとは思えないほど絵のタッチが同じで、どれか一つが個性的というわけでもないので全体がまとまって見えました。

かすれを生かした素早い線で描かれており、魚達の顔はどこかユーモラスに見えます。それぞれの画家が楽しんで描いたかのように感じられました。

写真:求龍堂『円山応挙から近代京都画壇へ』より

野村文挙 「近江八景図」

琵琶湖湖畔の名勝八景を描いたもので下記の八幅をズラッと横並びにして展示してあり実際に景色を眺めるように鑑賞できます。

実際に見たことがある風景は数点でしたが、その他の景色も描かれた当時を想像できるような絵でした。

  • 粟津晴嵐(あわづのせいらん)
  • 石山秋月(いしやまのしゅうげつ)
  • 堅田落雁(かたたのらくがん)
  • 唐崎夜雨(からさきのやう)
  • 瀬田夕照(せたのせきしょう)
  • 比良暮雪(ひらのぼせつ)
  • 三井晩鐘(みいのばんしょう)
  • 矢橋帰帆(やばせのきはん)

グッズ

1階ロビーには特設グッズコーナーができていました。


ポストカード、クリアファイル、しおり、複製画、マグネット、Tシャツ、お菓子など定番商品が一通り販売していました。円山応挙や長沢芦雪、竹内栖鳳などが描いた犬をモチーフにしたグッズが多い印象でした。


この展覧会の図録は通信販売でも買うことができ、
東京展と京都展の全出品作品124件が掲載されています。
公式図録 「円山応挙から近代京都画壇へ」 2,450円+税